松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

不如意の身体ちょろっと

立岩真也の本は非常に面白い。言葉自体は難しくないし、扱うテーマが特別なわけでもない。ただ自分は物をこういうふうに考えてこなかったな、というような事を随所で感じるから、思考の経路が不慣れなせいで、全体としては難しい。こういう難しさもあるんだ…

密かに計画中

今年は暖かくなったら、我が図書館でお話会をしようという計画がある。この前の味噌作りで子連れ三人組が集まった時、子守をスカウトしないとできないかなぁと、ちょっと考えた。ちょうど適任と思った友人が帯状疱疹にかかって、無理だったんだけど、その事…

蛸読了

蛸の本やっと読み終えた。しばらくしてもう一度読んでから、改めて紹介したい。肝心の部分がちゃんとわかっていないかもだから。それにしてもやはり違和感があるのは、本のタイトルである。原書の題はOTHER MINDSと言う。蛸とわれわれの共通の先祖は大昔に枝…

蛸の話2

蛸の本は意外に難しくて、まだ途中だが、一回読んだだけではよく理解できない部分がある。でも面白いしいろいろ考えさせられる。本当に不思議な生き物である。蛸は固有の形と色を持たない珍しい生き物なので、個体識別が非常に難しい。著者は彼らの表現者と…

紀伊国屋は止める

私もついに紀伊国屋で本を買うのは止めることにした。いつもヘイト本を山積みしてあるのも嫌だったし、正月早々百田本の熱烈推しには呆れた。社長は寿司友だし、アベ関連本は、紀伊国屋で関係者が2000冊とかの単位で買う。お金の出所は元はと言えば税金で、…

セクハラの話

昨夜は広河さんのスキャンダルのニュースが、飛び込んできて、なんとも言えない気分になった。真実のほどはまだわからないが、これが突然の休刊の原因だろうことは、ま、確実ではないだろうか。彼が編集長を止める時、次の編集長を決めるために、紙面を作る…

蛸の本さわり

「タコの心身問題」はちょっとふざけたタイトルだし、本屋で平積みだったから、割に読みやすい一般書なのかと思ったら、大間違いでした。中身は意外に難しくて、ぼやぼや読んでいたら、理解できない。著者のピーター・ゴドフリー=スミスという人は、哲学者…

ドイツでは

世界のドイツの情報を読んだ。メルケルは引退を宣言しているが、与党の敗北、極右の台頭と巷では聞いていたが、梶村さんのリポートを読むとそれだけではない。極右は意外に頭打ちで、際立って増えているのが緑の党である。キューバ人を父に持つドイツ人の青…

入会地

赤坂さんは福島と水俣を並べて語っているが、その中で初めて知ったことがある。福島の原発のある場所は、元々は入会地で、その後塩田になった場所を東電が買い占めたものであると。水俣の窒素の工場も塩田に立ったものである。 入会地というのは地元のコミュ…

3冊ゲット

蛸の本は意外や店頭に平積みでした!石牟礼さんの特集があったので買う。世界は前のがまだちょっとしか読めてないけど、買っとかなくちゃと。 電車の中で石牟礼さんのを読みだしたが、なかなか複雑な気分になりました。巻頭の渡辺京二の文がはなっから、苦界…

蛸関連

フランス・ドゥ・ヴァールの本でも出てきた、蛸、タコには常々ひとかたならぬ興味があった。書籍広告で目に付いて読みたいなぁと思っていた本が、みすずのDMが来て詳しい紹介があり、完全に買いたい気分になった。「タコの心身問題 頭足類から考える意識の起…

雰囲気の話だけど

孤立させて、手助けが欲しい時は、サービスという名前の商品をお金で買わせる訳だから、個人主義は資本主義と仲間なんだと思う。 無銭経済宣言のマークボイルは、たった一人で、無銭生活をしたから、なかなか忙しかった。ご飯を食べるにも火を起こして、それ…

「不如意の身体」

「不如意の身体」は面白い。中身と一体になっているんだけど、考え方がなるほどと思う事ばかりである。 色々こんがらがった事を考える時、私なんかは頭がついて行ってないから、つい単純化して答えを得ようとする。何か綺麗な解を得てスッキリしたい、という…

「モンテレッジョ小さな村の旅する本屋の物語」

なにしろ本の話なので、私にはもちろん面白かった。本を売り歩く行商の人たちの事だが、最初は暦や聖句のようなものを売り歩いていたわけだから、日本にもほとんど同じような人たちはいた。ただし村ごと世襲でこの職業を担ってきた事、今もその子孫たちが各…

ブラックハウスと曲り家

今また無銭経済宣言を読んでいるのですが、その中にイギリスの古くからある民家、「ブラックハウス」というものが出てきます。石と泥でできた壁と草葺きの屋根の家です。この家では牛や豚や羊も一緒に住んでいたらしいのですが、前読んだ時も思ったけど、南…

デイズ休刊

休刊のお知らせフォトジャーナリズム月刊誌DAYS JAPANは来年2月20日発刊の3月号で休刊となります。11月20日発売の12月号にお知らせ記事を掲載します。15年もの間本当にありがとうございました。定期購読料の払い戻しについては、購読者の方に直接お知らせい…

「スエロは洞窟で暮らすことにした」

訳者よりご恵贈を賜り、「スエロは洞窟で暮らすことにした」を読みました。私はいつもスクリプタを読んでいるので、広告でおもしろうそうだなぁと思っていた。マークボイルの無銭経済宣言にも、ちらりとお名前は出てきたし。大変面白く読みました。 スエロと…

最先端、、

「ユダヤ人の起源」は今んとこずっと、ネイションという言葉の定義の話で、小難しい。小石などという言葉は、実体と言葉の関係は、はっきりしていて変わらないが、ネイションなどというものになると、歴史的にもいろいろな使われ方をしてきて、時に意図的に…

「ユダヤ人の起源」げっと

「ユダヤ人の起源」が文庫本のくせに、えらい厚くてびっくりやんか。帰りのバスで少し読んだが、序文からこれはすごいぞと、私の長年求めていた本だとわかった。 訳者の解説を読んで、見識の高い事に驚き、検索してみたら、なんと高橋武智氏は本物の活動家だ…

「世界」から、プラスチック問題

プラスチックの問題もまた、日本ではちっとも真面目に検討されない話題である。産業界の政府への影響力が強い我が国では、大企業が大きな設備投資を必要とすることや、商品をより安く作れなくなるような話題は大嫌いである。国民もまた賃金が抑えられている…

「世界」9月号から

このところスペインに興味があるわしなので、「世界」の中のスペインの記事をまず読んでみた。 ポデモスが躍進し、市民運動も活性化しているスペイン。マドリード市の市長は革新系の二年目。安く借りられる公共住宅を、目標4000軒のうちとりあえず970軒完成…

現代思想ゲット

ちょっとさぼっていたので、今日は世界を買いに行く。世界は沖縄の特集。駅前の大入道のおっちゃんは結局、カムバックできないまま、お店はなくなってしまった。私は電車で買いに行くしかなくなった。おっちゃん、どうしてるかなぁ。 世界のそばの現代思想が…

「今でなければいつ」

「今でなければいつ」は、「これが人間か」「休戦」とは違って、事実に則った小説である。前の二作は著者の体験を、当時実際に見聞きした事だけに限って、書き記したもので、戦争の情勢の実際の動きも、噂で知る範囲の記述しかない。 今度の作品は著者がミラ…

再読の勧め

プリーモ・レーヴィの、「今でなければいつ」にかかった。これは自分で持っていた本で、若い頃に読んだもの。若者には旺盛な好奇心、なんでも吸収する柔軟性、どんどん読めるエネルギーなどがあるが、その理解力に関してはどうだろうか。これを若い私がわか…

本の未来

私のような、専門家でもなく日本語しか解さないおばさんが、いくら知りたいと思っても、正しい新しい知識を得ることは難しい。専門書や論文などは無理だし、一般書が出て初めてアクセスできる。その本も年々読む人が減って、出版される量が減っている。おま…

シャワー室

汽車から降りたユダヤ人は、手際よく、事務的に迎えられ、「シャワーのため」裸になるよう、勧めを受けた。時には石けんとタオルを手渡され、シャワーの後には熱いコーヒーが出る、という約束まで与えられた。事実、ガス室はシャワー室のように偽装され、水…

「これが人間か」

「休戦」は伝染病患者の部屋で取り残された仲間の、一人の死体を外に運んでいる時、ロシア兵が現れるというところから始まる。「これが人間か」は、逮捕された著者が、ゲットーに集められていたイタリア系ユダヤ人と一緒に、アウシュビッツに向けて出発する…

「梁塵秘抄」4

今様はその名の通り、今現在の世の有様をいち早く歌にしているから、流行りのファッションから政治的な物まで、本当にテーマは多岐に渡る。梁塵秘抄を書いた後白河院は本当に面白い人で、次の天皇を誰にするかの、やばいゴタゴタに対する批判的なものも、自…

「梁塵秘抄」3

「神ならばゆららさららと降りたまえいかなる神か物恥ぢはする」 これは今回買った植木朝子編訳の「梁塵秘抄」には取り上げられていない歌である。井上靖の「後白河院」の中に出てきて、梁塵秘抄買うべ、と思うきっかけになった歌である。この全体的な不敬な…

「梁塵秘抄」2

今様のテーマは本当に色々で、どれから紹介しようかと迷ったが、それなら聞いたことある、とみんながわかるものが、良いと思って、これにした。 「遊びをせんとや生まれけむ戯(たわぶ)れせんとやうまれけん遊ぶ子どもの声聞けばわが身さえこそ揺るがるれ」一…