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松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

「土と内臓」3

年末年始やら終了で通常生活に復帰、おめでとうございます!やっと「土と内臓」を読み終えたので、少し紹介を続けます。前に読んだ「失われゆく我々の内なる細菌」と、テーマは同じマイクロバイオームについてです。土との方が、植物と食べ物に少し寄ってい…

トールキンの世界

http://wired.jp/2016/03/15/see-the-sketches-j-r-r-tolkien/トールキンの未公開のスケッチなどが、たくさん出たらしい。これを読むと、トールキンのマニアぶりは本当にすごい。「シルマリルの物語」読んでもそう思ったけど、「指輪物語」と言うのは、トー…

本の整理…

もりこさんのご心配通り、我が家の本はひどい惨状である。今年の暮れは本の整理をしようと決心したのであるが、今見た感じどうしても収まる場所がない。早々とげんなりしている。どこかに入れる場所を見つけなければならない。いろんな隙間に、もう先住民が…

「土と内臓」2

「土と内臓」のはじめの部分は、奥さんのアンの奮闘による、庭づくりの話である。彼女が庭にぶちまけまくった有機物とは何か。木材チップ、枯葉、かった草、コーヒーかす、動物園がタダ同然で売っている草食動物の糞を堆肥化したもの、自分で作ったコンポス…

「土と内臓」さわり

「土と内臓」があまりにもすごくて、まだ途中だが、また衝撃を受けている。地質学者と環境計画分野の生物学者である夫婦が、自宅の庭作りで、ゴミ同然のほとんどただのものだけを使って、(スターバックスの捨てたコーヒーかすとか、笑)5年間で土壌改良を成し…

本が届いた

「土と内臓」が届いた。すごい題だけど。扉に「失われゆく我々の内なる細菌」の著者の、マーティン・ブレイザーが推薦文を書いている。今日ついたみすずの新聞の一面の下の、他社の本の広告欄にも、築地書館の「土と内臓」の広告が出ていた。うん買ってよか…

三島に逃避中

三島由紀夫の「古典文学読本」を、逃避読書中であるが、最近出た文庫本だが、これは秀逸なものである。三島はやはりただものでない。すべての論を納得するというわけにはいかないが、文章のあちこちに、実に鋭い理解が、ポロポロ落っこちていて感心する。賢…

築地書館の本

築地書館から新刊案内がきて、またまた面白そうな本がどっさり。とりあえず「土と内臓」を買おうかと思っている。他にもいろいろあるが、一冊で我慢や。要するにまた、微生物ものである。笑ネットで書評を少し読んだが、その中に、お医者さんで自分の子ども…

「日本の枯葉剤」4

枯葉剤に行きます。ここは結構入り組んでいてわかりにくいので、少し整理します。枯葉剤とはどういう物か、ベトナムでの使われ方、生産に関して、副産物の処理とその後の在庫の処理についてなど。枯葉剤というのは、もともとは農業用に開発された除草剤であ…

「現代思想」おしまい

斉藤環氏の話はいろいろ面白かったが、次に進む。杉田俊介氏の話。私は先ほど線引きについて、自分をダメな方に入れる人はいないと書いた。人間に線を引いて価値判断をする者は、他人を判断すると同時に、自分のことも判断している。自分になんらかの評価を…

「現代思想」3

斉藤環氏の文章は非常に明解である。引用「植松容疑者の考えは「狂気、クレイジー」ではあるが、「真性妄想、マッド」とは考えにくい。後者は共有困難な誤謬だが、前者は賛同者を巻き込み集団的に共有されうる「思想」だからだ。」「障害者は生きる価値がな…

「現代思想」2

線をどこに引くかはいろいろあるだろう。最近の新自由主義の世の中では、もっぱらお金を生み出さない、お金を食う一方であるなど、お金が線を決める傾向がある。線引きする人は、もちろん自分をダメな方には入れない。上野千鶴子氏の文章から。ケアに関わる…

「現代思想」から1

相模原の事件に関して、様々の立場で、いろんな人が書いている。今日は天気が良くなったので、少し紹介する。優生思想についてなど。優生思想というのはつまりは、人間に人間が、線引きすることである。こういう人は生きるに値しないと。ナチスドイツのT4作…

「アースダイバー」「現代思想」「世界」

中沢新一の「アースダイバー」は、続編の「大阪アースダイバー」ほど面白くなかった。残念、なんでだろう。大阪の方が埋まってるものが興味深いのかな。あと、文体の問題もあるかも。私の印象だけど、いいのか悪いのかわからんが、中沢さんは様々な文体で書…

フィンランドの図書館

駐日フィンランド大使館‏ @FinEmbTokyoフィンランドの図書館で本を一冊借りると、作家に約15円の印税が入るよ。財源は政府のお金で今年の予算は820万ユーロ。来年はもっと増える予定。作家活動には、申請して認められると1人7000ユーロの補助金が貰えて、今…

図書館、雨

ついに近所の図書館で、アースダイバーを借りてきた。この図書館は私の借りたい本があったためしがなく、わたしはおとなしく、ある本を読んでいたのである。もしくは中央図書館から取り寄せて借りていたのである。中沢新一の「アースダイバー」は、うちの近…

キッドおしまい

メリッサは大変無口で、ほとんど喋らないし、質問はないかと言っても、お腹は空いてないかと聞いてみても、べつにいいよ、みたいなことしか言わない。妊娠とわかるまでに、アルコールを飲んでいたり、マリファナを吸っていたりするので、二人はめちゃくちゃ…

キッド4

そんなんでやっと書類も揃え、スタートラインに立ったわけだが、二人は全くもって里親に選ばれる自信はなかった。この本が書かれたのは1999年のことであり、当時のアメリカでは同性婚は認められず、里親になることも、禁止されている州も多かった。ところが…

キッド3

セミナーでは毎回経験者などが登場して、体験談などを話す。これから出産予定の母親は、二人が二人とも、赤ちゃんはクリスチャンの家庭で育って欲しいと話す。また、里親候補者も、自己紹介や、まだ未定の産みの親に向かって書く手紙で、自分たちがクリスチ…

キッド2

ダンとテリーは、オープン・アダプションという方式の、里親制度で子どもをもらおうと考える。むかしながらのクローズドでは、生みの母と育ての親は、完全に切り離され、できればバレなければ自分の子どもです、で通したいというスタイルで、ダンに言わせれ…

「キッド」読了

「キッド」がおもしろすぎて、一気に夢中で読んでしまった。不謹慎ネタ満載の不真面目な語り口で、大真面目に書かれた本当に感動的な本である。主な登場人物、パパになったゲイのカップル、著者のダンと、テリー、母親である、ホームレスのメリッサ、読み進…

みすず書房

"1948年から1996年の48年間みすず書房の本が生まれた現場":潮田登久子『みすず書房旧社屋』悪漢と密偵さんついとよりなかなかに民家である。潮田登久子さんは島尾信三さんの奥さんです。丁度みすずの本を注文した日にみかけたついとです。本も今日来ました…

「凍」からもう一つ

山野井さんたちの山登りは、アルペイン・スタイルと呼ばれるものである。大人数の隊を組んで、大量の装備を伴って酸素ボンベの力も借りる方法でなく、身一つで単独で時間をかけずに登る。空気の薄い高山は、長くいるだけで、生命に危険をもたらす。7000、800…

本を注文した

このところ相次いで本屋さんの案内が届いて、あー、読みたいなぁという本がたくさんある。築地書館からでた「キノコと人間」「生物界の王者、菌類の生殖器として、10億年かけてユニークな進化を遂げてきたキノコ」このお誘いの文句にフラフラ惹かれる。ご存…

「凍」

沢木耕太郎の「凍」を読んだ。すごすぎる登山家夫婦、山野井泰史、妙子のヒマラヤのギャチュンカンのアッタクを題材にした、ノンフィクションである。非常に面白かった。沢木耕太郎はいろいろ読んだが、この人の必要最低限みたいなさっぱりとした文体が、ド…

「沈黙」読了

遠藤周作の「沈黙」を読み終えた。昔読んだと思っていたが、読んでなかったかもしれない。とても面白かった。もっと暗くて重いかと思っていたが、そういうことはない。遠藤周作はなかなかのストーリーテラーで、読ませる。世の中にはもっと重いしんどい小説…

網野善彦対談集の続き

網野善彦の対談集に戻っています。森浩一先生と網野さんの対談は本にもなっていて、とても面白いですが、それの元が出てきます。二人が話すと、考古学と歴史学の間を話が飛び交って、調子に乗っちゃう感じで。あー面白いなぁと思っていたら、次の回は谷川健…

「数学する身体」お終い

著者は大学に入学してまもない頃(文系の学部に)たまたま通りがかった古本屋で、岡潔の「日本のこころ」という本に出会う。岡によれば、数学の中心にあるのは「情緒」だという。「五感で触れることができない数学に、没頭するうちに、内外二重の窓がともに開…

「数学する身体」5

チューリングはイギリスの数学者。数学の世界にいくつもの画期的な革命を起こした天才であるが、人工知能についての論文を書いた初めての人である。チューリングの才能は戦争中も大活躍する。ナチスドイツの「エニグマ暗号」とそれより洗練された、「タニー…

「数学する身体」4

そんな私から見ると、ギリシャ人はまず考えられない人たちである。そもそも数字は数や大きさを知るために、日常の必要のために作られたものであり、その計算方法が徐々に生みだされた。ところが紀元前5世紀、ギリシャでは、いかに答えを引き出すかではなく、…

「数学する身体」3

著者は若い。30歳。そして、わかりやすく、端正な綺麗な文章を書く。文化系の学部から、岡潔の本に出会って、数学の道に路線変更した人です。理系の人は文章が下手とは全然思わないし、文系だ理系だという区別もなんだかなぁと思うが、文章を書く人は数学に…

「数学する身体」2

この本は本当に面白いところがいっぱいあるが、まずは人工知能の話。(これうまくかけるか自信ないんだけど)ある最適化の問題をコンピュータに与える。ランダムな解の候補を与え、それらを選択し、進化させるということを繰り返し、コンピュータが答えを出す…

「数学する身体」読了

森田真生氏の「数学する身体」は、予想に違わぬ名著であった。数学をこんな風に書いた人はいただろうか。いたとすれば著者が尊敬する、岡潔その人だけではなかろうか。ひさびさに興奮気味に読み終えた。数学ほど私の苦手なものはなく、頭の悪い脳が偉そうに…

網野さんの対談本

網野さんの対談集を読み始めたが、私は網野さんからすごく影響を受けてるなぁと、つくづく思った。けっこう笑える程。一つ気に入ら無いのはブックデザイン。装丁はどことなく鰹節のパッケージみたいだ!中も扉を取らず、余裕のないデザインで、美しくない。…

「呪われよ」

施設での殺人事件の時、誰かがツイートしていた。さっと流してしまってちゃんと見なかったが、網野さんが言っていたのはこれか!と思った。以前読んだ網野さんの本に差別に関する話の中で、ちょっと出てきて印象的だった。縄文時代の遺跡で、先天的な重い障…

白川さんと石牟礼さん

疲れてくると(白川静)先生のご本を読みます。恥ずかしいのですが、私自身は先生の弟子の弟子のそのまた弟子を自認しているんです。石牟礼道子botより石牟礼さんと白川さんの対談があって、割りに短いあっさりしたものだが、その中で白川さんは、「苦海浄土…

「世界」9月号より

「世界」を開いてこの人が書いているのを見つけたら、大抵それから読むことになる。谷口長世という人、肩書きは国際ジャーナリスト。ブリュッセル在住である。面白いというより、恐ろしいというか、げっそりしてしまうこと請け合いなんだけど。今回のお題は…