松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

ブーヴィエはやはりとてもいい。

さて読み始めた。

この本はブーヴィエのさまざまな著作を、

集めて載せているので、

以前読んだ「世界の使い方」も一部分が、

収録されている。

私が好きだったジプシーの所が、

とられている。

ところが2冊は訳者が違う。

こちらの方が先に出たのか?多分。

日本滞在がテーマの「日本年代記」は、

この訳者によって10年ほど前に、

全訳がでていて、そこはその時のまま再録。

どちらの訳者も私的には不満はないが、

当然雰囲気が少し違う。

難しいのは名前のカタカナ表記。

人や町のなまえ。

これは実際色々な場合がありうるから、

仕方ないんだけど、

私の馴染みのない読み方だと、

勝手に違和感が湧く。

実は正確でないのに、

日本語で定着している場合もある訳だし。

これはあらゆる本で起きるのだけど。

河島さんの本では、イタリア語の発音に、

非常に忠実なカタカナを当てている。

音引の場所が適切で、

アクセントが正しく反映される。

これが逆に違和感となる人もあるだろう。

ジプシーの歌の歌詞で、

この前のヤーノシュは、

ジャノ(ヤノス)になっている。

私はヤーノシュに馴染みがあったので。

しかし翻訳というのも、

本当に大変な仕事だと思う。

今回の高橋啓氏は、「リンさんの小さい子」も。

凄く地味で短い本だが、

それでも記憶に残るいい本だった。