松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

リンさんの本読了

やっとの事で、この短い本を読み終えた。

リンさんはベトナム人である。多分。
そして太った男バルクさんはフランス人。
舞台はフランスのどこかである。
リンさんは難民保護施設で、
通訳の人に訊ねて、こんにちは、
と言うフランス語を知る。
二人の分かり合える言葉は、
こんにちは!それだけ。
毎日のように同じベンチで二人は、
一緒に過ごしていたのに、
突然リンさんは呆けた老人を集めた施設に、
連れて行かれる。
そこで大変つらい目に遭い、
脱走して街を彷徨い、
ついに太った男と再会する。
あまりの嬉しさに、真直ぐに、
道路を渡ろうとして車に轢かれる。
リンさんはまだ死んではいない。
バルクさんに、こんにちは こんにちはと、
語りかけている。
それは二重唱になる。

この本は間違いなく素晴らしくて、
古本でもいいから、
手元におきたい気持ちになる。
ここでまた難しいベトナムの歴史が、
私の前に立ちはだかる!
ベトナムの歴史は複雑で悲惨で…
ベトナムと言えばベトナム戦争であるが、
その前に第一次インドシナ戦争がある。
それが少し背景に出てくる。
私はベトナムの歴史をよく知らないまま、
ここまできてしまった。
全くそんなことばかりである。