松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

ホネクイハナムシ

死んで深海の底に沈んだ鯨は、

さまざまな生物たちを、

数年にわたって養う巨大なご馳走になる。

そんな場面に出くわした研究者に、

ホネクイハナムシは発見された。

ゴカイの仲間。

これの生態はなかなかに珍しい。

(ま、珍しいのはこれだけじゃないけど、笑)

深海で餌にありつくことはかなり難しい。

そして結婚相手を見つけることも同様。

運良く骨を見つけたホネクイハナムシの幼生は、

メスになる。

あとから遅れて混み合った所へ、

到着したものは、オスになる。

そして成長は止まり、

メスのポケットに収まる。

メスは、小さいオスのハーレムを、

体に持っているのである。

口も腸もないホネクイハナムシは、

どうやって骨から栄養を取っているか。

緑色の根のようなモノで、

骨にとりついている。

この部分に細菌をすまわせている。

共進化してきて本人と一体化が激しいものは、

共生とは言わないのかもしれないが。

これが多分栄養の摂取吸収に関わっている。

マイクロバイオームというわけである。

この話のおまけでアブラムシが出てくる。

我が薔薇が日夜これに悩まされている。

アブラムシは植物から炭水化物をとるが、

不足する必須アミノ酸を、

ポケットの中の細菌に、

つくってもらっているそうだ。

あんな小さいアブラムシのくせに、

小さなポケットにもっと小さい細菌を、

携帯しているのである!全く!