松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

逝きし、またまた

この本に登場する外国人のうち、

それも元本ではなく宮本さんの解説で、
以前読んだ。
東北編と関西編に分かれた訳本も出ています。
イギリス人の女性で、
日本人の通訳一人を連れて、
東北から北海道南部まで、
足を伸ばした猛者である。
当時の東北の寒村の有り様や、
ほとんど他にないアイヌについて、
貴重な証言を残した。
日本人の体格容姿に、
情け容赦ない感想を述べたこの彼女も、
お町でショッピングとなると、
やはり目がきらりんとなる。
なかなかの観察眼であるのは確か。
ま、おじさんでも取り憑かれたように、
可愛い日用品を買いまくる人もいるが。
会所という外人向けに商品を陳列販売した、
場所が長崎や横浜などにあり、
ここでは家具や陶器、美術品などの、
大物を扱った。
何もかもが美しく精巧で目新しく、
有り金全て使い果たしたひと、
これで早々中国で大儲けした人も。
また、日用品のクオリティの高さには、
全ての人が感動している。
きらりんの書いたものを少し引用。
(所々省略しつつ)
「私は桶屋の前を通ると、必ず何か買いたくなってしまうのだ。用材の慎重な選択と細部の仕上げと趣味への配慮によって、一個の芸術品となっている。籠細工は、ざっとしたものから精巧なものまで、ただただ驚異である。
続く通りは、あらゆる種類のかんざしを売る店で一杯だ。安いものから、8円から12円はするみごとな彫物のある鼈甲までそろっている。
数えてみたら117種類もあった!」
この後、漆器店、仏具屋、古着屋、扇店、掛け物を売る店、屏風屋、羽織の紐を売る店、ちりめん、手拭い、煙草道具、筆だけ、墨だけ、硯箱だけ、本屋、お箸だけ、提灯、行燈、薬罐」
他、それぞれの専門店が、
同じものや関係のあるものを扱う店が、
エリアごとに固まってひしめく様子がある。
これは、花のお江戸ではなく、
明治11年の新潟の町。