環境保護団体のやっている事と、
再野生化が違うところは、
これにはこうしたいという理想の形がない。
全てお任せである。
現在ある保護運動は多かれ少なかれ、
この場所のこの状態を維持するとか、
ある時期の状態に戻すとか、特定の植物を守るとか、
目標とする形がある。
ボランティアも植樹とかしないとやった気がしない。
しかし生態系というのはずっといつも同じなわけではなく、
ランダムな(もちろん理由があるわけだが)スパンで様々の種類の影響を受け、
出たり引っ込んだり色々しながら、
流動的に変化しているものなのだ。
どちらかと言って人がどうにかできるようなものではない。
お任せタイプなのでどんな保護活動に比べても、
お金がかからない。
ここでは、動物を放すために敷地をフェンスで囲む、
敷地内の川の護岸を壊して、
水辺まで動物が近づけるようにした事、
この二つくらいが主な出費であった。
私も140ヘクタールくらいの土地持ちなら迷わずやるだろう。
著者も農業でやっていけない人達が、
やらないのは不思議だと思っているみたい。
オランダでやられている先行事例が凄い。
広大な埋立地を使っている。
なんとなく感じていたけど、
オランダの取り組みは全体的に進んでいるね。
小さい国だけど生物学者もいっぱいいるし。
この分野ではEUがよい取り組みをしていて、
確かに農薬やGMに関しても積極的に不使用を打ち出している。
それに比べてイギリスは確かに動きが鈍い。
ま、日本にはかなわないけど。
著者もEU離脱後のことを心配しているようだ。