松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

「動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか」2

人間が一番偉い、もしくは特別な存在、
という物語はキリスト教と深く結びついている。
これは学究の世界にも深く染み込んでいる。
たまに生物に関する本を読むだけだが、
その私でさえ、何度か目にしたのが、
アカデミズムの場面で、
他の動物に擬人的な表現を使った人を、
激しく糾弾する人がいるというものです。
現在でも人間が猿から進化したということを認めない人が、
沢山いるアメリカですが、
そう言う批判者の、マメさ執拗さは、
日本の歴史修正主義ネトウヨによく似ています。
これは日本にもしっかり波及していて、
奇人の本で読んだのですが、
リュウドバチ(狩人蜂)という名前が擬人的であるというので、
カリバチ(狩り蜂)に変わったということです。
(奇人は俺は狩人蜂を使うぜと言っていて、
私の心を鷲掴みにしたのですが。)
そんなんで、押されてんじゃないよ、
誰か「何言ってんの、バカじゃないのお前ら!」
と叱ってやれよ、と私はずっと思っていたのです。

そして昨日、ついに私は知ったのです。
「動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか」の
著者フランス・ドゥ・ヴァールこそは、
「何言ってんの、バカじゃないのお前ら!」と、
大声で叫んでいる人だったのです。
私はビックリするやら嬉しいやらで、
のけぞり姿勢を解除することが、
しばらくできませんでした。