松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

バテレンの世紀

本を読んでいるが、とても面白いのに、

ノロノロとしか進まない。

渡辺京二はやはり好きだ。

小さきもの、でもそう思ったが、

歴史認識がしっくりくる。

帯にもあるように、

「読書人にとって、欲しいのは詳しい通史である。なぜなら、歴史叙述は詳しいほどおもしろいからだ。」

そんなものを書いてみたかったのだと。

その通りである。

私はまさに一般の読書人として、

小説や新書の形で少しずつ読んできたが、

それらがつながって、

ちょっとした小さい面白い話も混ざり込んで、

いい具合である。

最後は島原の乱

島原の乱は日本の歴史の中でも、

特異な出来事である。

原城に立てこもった人達が、

文字通り全滅したので、

こちら側の資料はほぼないが、

最新の研究ではニ万数千人。

これに対して12万の幕府軍が包囲したのである。

しかし人間の命懸けの抵抗というものは、

どんなテーマであれ、

胸にずっしり響くものがある。

中と外で矢文でのやり取りがあったが、

その文章の気高さにも打たれる。

私は長崎に行った時、

原城址には行けなかったが、

彼らが城内で作ったと言う、

鉄砲の弾を見た。

不揃いな丸い手作りの弾は、

妙に可愛いのだった。