松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

「昆虫こわい」

私はさすがに小松さんのファンだけあって、
小松さんの先生にあたる丸山宗利の本にかかった。
将を射んとすれば、というあれだな。
別に射んとしてないけど。笑

「昆虫はすごい」は知っていたけど(まだ読んでないけど、)
すごく売れた本で、2015年度新書大賞!
11万部突破!とはすごいね。
まず新しく出た「昆虫こわい」を読んでみた。
主に海外に昆虫探しに行く話だが、
さすがに面白いし、もちろん小松氏も同行者として、
随所に登場し、その奇人ぶりが花を添えまくっている。
これは新書ながらオールカラーで、
地味目な好蟻性昆虫の他に、
珍しいツノゼミや美しい蝶もたくさん出てくる。
丸山先生は好蟻性昆虫の日本の第一人者であり、
主にハネカクシが専門で、ヒゲブトオサムシも大好き。
これは本当にかっこいい。
ヒゲの造形が素晴らしい。(私も描いてみたくなった)
またツノゼミの専門家でもありツノゼミの本も出している。
ツノゼミの多様さは恐れ入るレベルである。
昆虫嫌いの人もきっと楽しめる本である。
昆虫学者の仕事は実際過酷だし、
よほどの昆虫好きにしかできないと思う。
小松氏も初めての海外で夢に見たジャングルに行った時、
興奮しすぎて気を失った!
彼らが珍品を発見した時の、爆発ぶりも凄い。笑
丸山先生も興奮が冷めやらずに不眠症になるほど。
いやー、なかなか。

日頃、人々は観察力が足りないと文句を言う私だが、
観察するには少なくとも、どうなってるんだろうと、
疑問に思ったり、知りたいと思うことが必要で、
それが粘り強い観察のモチベーションになる。
そして日頃の観察があってこそ、
いつもと違う状態、普段はいないもの、など、
新発見につながるということがよくわかる。
疑問に思ったり知りたいと思ったりする感覚は、
子どもはみんな普通に持っている。
それを失わずにうまく育てた人が、
面白い有能なイキイキしたおとなになるんだな、きっと。
とにかく生物学者は動物一般が大好きで、
小松氏は鳥では、烏と雀が好き、
丸山氏はクマでは、マレー熊が一番好きとか、
色々私と趣味が一致するところも嬉しい。