「土と内臓」3
年末年始やら終了で通常生活に復帰、
おめでとうございます!
やっと「土と内臓」を読み終えたので、
少し紹介を続けます。
前に読んだ「失われゆく我々の内なる細菌」と、
テーマは同じマイクロバイオームについてです。
土との方が、植物と食べ物に少し寄っている。
今回これを読んでいろいろと積年の謎が解けた。
一つは有機栽培の野菜について。
もう一つは娘の自然栽培の田んぼについて。
植物たちは光合成で得られた栄養素を根から、
染み出させ、これを食べに有用な微生物がやって来る。
そして根圏は微生物と菌類で賑わい、根はどんどん伸び、
彼らが分解してくれた栄養素を吸収する。
共生細菌は動いて逃げられない植物に代わって、
有害な病原菌が来たらやっつけてくれる。
こういう協力関係で、我々動物が生まれるずっと前から、
植物たちは自給体制を作っていたのである。
自然栽培で、化学肥料を施されていない土壌では、
細菌類がたくさんいて植物を守っている。
従って根張りがよく、渇水にも強く、
病気にもかかりにくい丈夫な植物が育つのである。
娘の田んぼでは稲刈りの後の藁を戻すことしかしていないが、
草取りをするだけで、大豆にいたってはそれもしないのに、
美味しい見事な収穫物が得られたのである。
これが農業にとって、
最も持続的に有効な方法であることは、
昔から様々な実例で証明されていたが、
(そのシステムの詳しい理由はわからなかったが)
それでも、世の中は化学肥料に驀進していき、
土壌を台無しにし続けてきた。
これでは誰も儲からないからだろう。
現在の日本の原発をめぐる状況と全く同じである。