松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

人間って…

農薬や肥料の話と医療の話は全く同じだ。

100年以上も前に、

インドの広大な農地で長期にわたる、

研究をして、化学肥料を入れるより、

従来の育てかたをした方が、

長期的には収量は増えると言うことを、

証明したイギリス人の学者はいた。

結果ははっきりしていたので、

彼は自信を持って主張したが、

その後はご覧のような展開。

化学肥料がガンガン売れたから、

完全に無視された。

当時は、土壌細菌や菌根菌の働きまでは、

解明されていなかったが、

化学物質の継続的な使用で、

土が死んでしまう。

この結果は現在でも通用する。

お金の問題ももちろん大きいが、

それとは別に、「進化の頂点に立つ」

人間の叡智、科学の力は、

ほら、こんなに素晴らしい!と、

言いたい人間中心主義が根っこにある。

医学の世界では、

もっとこれは強いように思う。

どんな賢い優しいお医者さんでも、

さあ、先生が治してしんぜよう、

と言うわけで、

まるで近代医学は万能で、

全てわかっているかのような、

考えを持っている人は多い。

もちろん治せる病気もあるし、

有効なくすりもある。

しかし、医療の介入による、

デメリットは必ずある。

免疫などに関しては、現在も、

わからない部分はまだまだある。

人の自然免疫は、常に学習し変化し、

強くなっていくし、応用が効く。

その仕組みは、まさに何十億年もかけた、

人体の最適化の賜物である。

人という生物はこの地球を覆い尽くす、

命のネットワークの単なる一種である。

全てが繋がっている。

そういう感覚の無い傲慢な人間が、

なんと多いことか。