松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

「グロマリン」の話

イギリス貴族の再野生化の本の最後の方に、
すごい話が出ている。
土壌の話であるがそのなかの菌根菌の話。
「グロマリン」という物質は、1996年に発見された。
菌根菌が炭素から作る糖タンパク質である。
大気中の二酸化炭素が増えると生成量が増える。
実にグロマリン粒子の20から40パーセントが炭素である。
菌根菌の働きで炭素隔離という事が出来るのである。
世界中の劣化した草地50億ヘクタールを、
正しい生態系に戻してやれば、
数十年で温室効果ガスの濃度を、劇的に、
産業革命以前のレベルまで下げられるというのである。
実際このイギリスの140ヘクタールの再野生化で、
土壌が回復し菌根菌が増えてきている事は分かっている。
こういう土地を飛び地的にでもたくさん作れれば、
昆虫や植物や土壌微生物も一気に増えるのは確実なのである。
できる事はたくさんある。
それなのに、戦争かよ…である。
戦争ほど効率的に環境破壊するものも滅多にない。
様々な毒物がばらまかれる。
気軽な核兵器も使われるだろうし、
石油基地なんか燃やされたりして、、
第一次世界大戦の時に使われた化学兵器のせいで、
ヨーロッパには今も人が入れない場所もある。
そんな事やってる場合ではない。
愚かなり。