松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

パープル・ハイビスカス

昨日は久しぶりに近所の本屋に、

本を注文しに行った。

私はアマゾンをなるべく使いたくないから、

この本屋さんは、

わたし専用の取次店として利用している。

古本は無理だけど。

そこに置いてある本はあまり、

興味をそそられないのだが、

昨日はたまたま、前から、

読みたいと思っていた人の本があったので、

買ってみた。

チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ、

くぼたのぞみさんの訳である。

本当はこれの前のが欲しかったのだけど。

ナイジェリアの女性の作家。

これが予想以上に、やめられなくて、

夜遅くまで読み続けてしまった。

舞台はナイジェリア、少女の物語。

父は実業家で裕福であるが、

カトリックの強烈な原理主義者。

宗教もこうなると恐ろしい。

政権批判の新聞社の社主でもあり、

思想的にも人格的にも、

それなりに立派な人物であり、

完璧に娘を愛している。

それでもこれが宗教的不寛容と、

矛盾なく共存する。

実の父を異教徒と言って忌み嫌う。

うそをついたと娘を激しく折檻する。

ひっきりなしにお祈りするが、

ロザリオの祈りが出てくる。

これはシチリアの短編集に出てきた。

これまた印象的な話で、

取り上げられていたもの。

ローマでシチリアでナイジェリアで、

人々はロザリオをまさぐり祈っている。

宗教に限らず、なんでも、

これじゃなきゃダメ、こうじゃなきゃダメ、

という風に固まると排除につながる。

わたしも気をつけよ。