スペインの歴史がややこしくて、
私にはお手上げである。
手短かにまとめるのも不可能だ。
バスク語の禁止などの締め付けは、
内戦の時バスクが、
共和国政府側についたことへの、
勝ったフランコ側からの報復な訳だ。
元々はかなり自治権を持っていた。
スペイン内戦は、
元からあった共和国政府と、
フランコ率いる軍の戦いで、
クーデターである。
そしてお隣のポルトガルが加勢した。
これはバスクにある地名である。
フランコの軍にドイツ空軍イタリア空軍が、
加わって大規模に空爆が行われた。
民間人がたくさん死んだ。
初めて焼夷弾が使われ、
破壊され焼き払われた。
テストだったと言われている。
あとカトリック教会が絡む。
そんなバスクだが、
ファシスト側についた人もいた。
内戦が終わって30年ほども経つ頃が、
この本の舞台だが、
主人公は少年から青年に差し掛かる年頃。
自分の父が、
ファシスト側で殺人に関わったのでは、
と言う疑いを持つ。
その事で長く苦しみ続ける。
一方、母のお兄さんは、
殺されそうになった人を、
匿いフランスに逃した人であった。
彼は父親に馴染めず、
このおじさんに魅力を感じている。
自分の先生の父親も、
その時の殺人の犠牲者だったりして、
実際かなり地獄だと思う。
かつて加害側だったものも、
常に報復を恐れていて、ちょっとした事に、
過剰反応するとことかリアルである。
もちろん小説ではあるが、
内戦と言うものは、
こう言うものなのだろうと思う。
みんな黙っているだけで、
実際には終わるに終われないものがある。