松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

「ジャニス ブルースに死す」

レニーブルースの次は、

なんとなく流れで、ジャニスの本を読み始めた。
1973年の本でこれも字が小さい。
二段の組で本文は11級である。
級をセンチに換算すると、
11級なら4文字分で11ミリということになる。
今でも級数って使うのか知らんけど。笑
他の書物からの引用部分は9級である!
今時の本ならルビのサイズかも。
そんでそのルビが平気で2ページくらい続く。
字の大きな本は損した感じがする、
ケチな私だけど、これはお得過ぎや!
昨夜は目がしょぼついてきて仕方なく読むのをやめた。
昔は本文10級の雑誌とか読んでたけどね。
老人はだめやねぇ。

さて内容だが、これはジャニスの伝記でもなく、
当時の音楽シーンの中でのジャニスの記録でもなく、
もっと文学的というか哲学的というか、
ジャニスという人に肉薄したいという、
著者の気持ちが、ひしひし伝わってくる、
そういう本である。
世に音楽好きは多くて、私など全くお呼びでないのだが、
「パール」は若い頃繰り返し聞いたレコードである。
高いのか低いのかわからんがしゃがれ声であるのは確かな、
あの独特の声がよみがえる。
当時としてはこれはかなり高い本だったはず。
中に挟まれた写真のページが素晴らしい。
彼女を指して「官能的な子ども」という表現が中に出てくるが、
挑発的で力強く、しかし無垢で壊れそうな、
他に似た例が思いつかないないタイプの存在感である。

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