松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

屏風のこと

屏風と言えばね、

常々美術館で見にくいもののナンバーワンが、
屏風だと思っている。
あれは足元から私の背丈ほどもあるのもあって、
それも二個セットで、大画面の代表である。
絵柄は色々だが、大画面を生かして、
大きな虎を大きく描くというようなものもあるし、
大画面を生かして、広いエリアをくまなく描くと言うものもある。
こちらの方は洛中洛外図などが代表で、
私の好きな南蛮屏風などもそう。
今回の曽我屏風も背丈はそう高くないが、その手である。
このタイプは、
こんな所に何か売ってるおばさんが!
お部屋の中にも誰かいる!
山の方に怪しい獣が!てな具合で、
油断も隙もないのである。
ところが美術館なのでは床から少し立ち上がった所に、
展示ケースがあったりで、
そうなると上の方はガラスの向こうはるか彼方。
お部屋暗め人多目だと、
もう最初から部分を見る雰囲気ではない。
私は小さい望遠鏡みたいなやつも持っているが、
これであちこち見るのはまた難しい。
民芸館は自然光が入って明るめだし、
押し合いへし合いということもないから、
見やすいのだけど、
もっとじっくり見ておけばよかったなぁ、と後悔。

柳氏とお仲間たちは、もちろん、
お部屋の中に立てて、生で見ただろう。
舐めるように、左見右見、隅から隅まで、
重箱の隅をつつくように、楽しんだことだろう。
実に羨ましい。