松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

展覧会ふたつ

今日は比較的涼しく展覧会をふたつはしご。
先ず庭園美術館の「ブラジル先住民の椅子」
これは、ポスターの印象がイマイチだったが、
非常に面白かった。
椅子になっている動物は、ジャガーや、
バク、アリクイ、ハナグマ、ワシ、猿など。
どれもフォルムが素晴らしい。
シンプルだが見事に動物の特徴を捉え、
とにかく可愛いので、ニヤニヤ笑いが、
溢れ続けてしまった。
余りにも私好みで、一つ欲しい。
大きな木があれば自分でも作ってみたい。
映像では、巨大な藁葺き屋根が、
地面までつながったような家に住む人達が、
斧を担いで森に行く。
大きな木を数人で倒し、その場で、
一人一人が椅子の大まかな形にまでする。
とにかく木が大きく重いので、
なるべく小さくして持ち帰る。
斧の切れ味は大変良さそうで、
人たちは力がありそうな頑丈な体をしており、
予想よりテキパキ仕事ははかどる。
この椅子を作るアーティストは、
動物を大事にして欲しい、
世界の主人は動物なのだからと語っていた。
もう椅子を見ればね、わかる。
動物に対する愛情が丸出しであるもん。

 

オペラシティーの、イサム・ノグチ
今まで見たことがなかった初期の作品や、
ドローイング、陶器やテラコッタの作品など、
良い展示であった。
彼は本当に才能に溢れているね。
ドローイングも、実に美しいラインで伸び伸び描く。

ごく若い頃、彫像の仕事で有名になり、
十分やっていける人気だったが、
それに飽き足らずフランスに留学する。
しかし初期の彫像の作品もなかなか魅力的なものだったよ。
フランスでブランクーシの弟子になり、
決定的な影響を受けるが、
もともとブランクーシ的な感覚を持っていたのだと思う。
私はブランクーシも好きだが、イサムの形も、
非常に好きなタイプ。
ハンサムで生涯モテモテ男だったが、
大きな石に負けずに格闘し、
次々と作品を作り出す才能は、
やはり魅力に溢れていたんだろうね。

最初はその後民芸館も行こうかと思っていたが、
ふたつ見たら疲れた。
目がやはりまだ疲れるね。