松井なつ代のやま

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NPOってなんだ

なんとなく長い間疑問に思っていて、
スペインの話や世界で読んだ記事なんかがきっかけになって、
再発した疑問なんだけど、
NPOって、どうなんだろうということ。

NPOというのは、
まさにアメリカで始まったことだというのが、
ミソだと思う。
民間非営利活動組織という意味だ。
主に有給のスタッフとボランティアで成り立っている。
世の中の社会福祉の至らない部分を、
埋めていると言ってもいいと思う。
私はともしび会というNPOに少し関わっているが、
老人の通所介護訪問介護に関する仕事をしている。
しかし、もし国営のあるいは都営の、
十分な介護組織があったならば、
いらないわけではないか。
そこに専従の正規の職員がいれば仕事は十分にある。
それは、無給で低賃金で善意でやるべき仕事なのか。

社会福祉というものを考えた時、
スカンジナビア諸国と、アメリカをそのシステムで見ると、
アメリカというのは、
最も福祉国家の対極にある国で、
医療、教育、福祉分野に、
公的なお金はほんの少ししか使われていない。
営利企業と、非営利のNPOがそこを埋めている。
金持ちは営利企業のサービスを買い、
貧乏人はボランティア精神に身をまかせるという感じ。

日本もほぼそれに準ずる形になってきた。
公共の福祉に関わる予算は年々削られ続けているが、
我々は実は世界的に見てもたっぷり税金を払っている。
税金は何に使われているのかを、
もっと真面目に見るべきである。
オスプレイだの、2週間のスポーツイベントや、
カケ学園だのに使われるばかりなら、
全然払う気にならない。
特に親分があのサガワってわけだしね。
世界には医療教育が完全にただの国だってあるし、
住宅についても非常に安い公営住宅が、
たっぷりある国だって存在するのだ。

そのどれもがなく、それらに困った人は、
自分が悪いせいだと思わされる。
それが現在の日本である。
これが新自由主義の行きついた姿なのだと思う。

目に前に困っている人がいれば助け合うのは当たり前で、
必要なことだが、だからと言って根本原因を、
そのままにしていいという理由はない。
クラウドファンデイングについても、
疑問の余地がある。
これも元締めの取り分がすごいらしいしね。
一種の世の中の善意にを食い物にするシステムでもあるのではないか。