松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

フィデル死す

フィデルが死んでしまったねぇ。

でも殺されたんじゃなくて、
自分で死んだって事に対して、
ブラボ!お見事!と言いたい。

だいぶ前にキューバに関する本を読んで、
やまでも紹介しているが、
アメリカの経済制裁の時、
フィデルは「一人の餓死者も出さない」という、
目標を立て、矢継ぎ早に様々な政策を打ち出した。
この制裁はアメリカが他の国に対しても、
キューバになんか輸出したら、お前の国も、
制裁を下すからな、という念入りなものである。
当時のキューバは農業をとってみれば、
砂糖ばっかり作る典型的なモノカルチャーで、
多くをソ連の支援に頼っていたが、
ソ連は崩壊し、それもできなくなっていた。
この時国民はみんなだいぶ痩せたが、
実際に一人の餓死者も出していない。
アメリカの目論見は外れたのである。

この考えは公務員の全てに行き渡っており、
自然災害の対策に関する本では、
関係する職員は、自分たちの仕事は、
一人の死者も出さないことですからと言っている。
病人も障害者も老人も子どもも、
全員が素早く避難できるように、
日々システムを完全なものにするべく、
工夫を凝らしている。
家畜がいて避難できない、ペットがいてできない、
という人のためには、動物もろとも避難する、
方法をとっている。

国の大きさや社会態勢の違いはあるが、
我が国と最も違うのは、
命を大切にするかどうかというところである。
全ての問題の根っこにはこれがある。