松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

久々に不潔のすすめ

少し前に現代思想の細菌特集だかで、
書いていた日本人の学者さん、この人は、
一般書をたくさん書いているが、
手洗いうがいをやめれば風邪をひかなくなると。
ま、冗談めかして書いていたが、
実は本当だと思う。
その割にこの説が広がらないのは不思議である。笑
水でやる分には構わない。
手洗いうがいに石鹸や消毒薬的な、
菌を殺すための物質を使わないという事。
私はもう長い間、そのような不潔な生活をしているが、
食中毒にもかからないし風邪もひかない。
私の体にも周辺環境にも、莫大な数の細菌はいる。
それでも決定的に危険な物はごく一部であり、
よほど運が悪くないかぎりは平気である。
いっときO157という菌が話題になったが、
これもごく弱いやつで、健康な腸内細菌の状態なら、
決してやられる事はない。
夏に白内障の手術をした時、
さぞやたっぷりその手を喰らうだろうなぁと思った。
私は昔抗生剤で聴覚がやられたので、
そこんとこよろしくと、主治医の先生に伝えたら、
あっさり内服の抗生剤は無しにしましょうと、
目薬だけになった。
何だ、それも念の為って奴なのかと、
かえって驚いた。
しかし不潔は嫌われるからなぁ。
文明人は野蛮で怖い。
すぐ殺そうとする。

新春こんち

f:id:natsuyono:20190109083124j:image

こんちさんはやはりなかなか難しくて、
全部サーフェイサーをかけてから塗っているが、
サーフェイサーごと剥がれる場合すらある。
ま、元はと言えば型が劣化していたわけだから、
仕方がないと諦め、何とかだましだまし、
やっている。
いろんな場所のエッジも甘くなっている傾向。
とにかく出来る限りやすってやるしかないが、
手間がかかる。
白いコートの方はリックは手塗りにした。
やはり少しぼってりする。
そんなんでやや完成度は落ちるが、
可愛いからいいかっと思う事にした。

 

密かに計画中

今年は暖かくなったら、
我が図書館でお話会をしようという計画がある。
この前の味噌作りで子連れ三人組が集まった時、
子守をスカウトしないとできないかなぁと、
ちょっと考えた。
ちょうど適任と思った友人が帯状疱疹にかかって、
無理だったんだけど、その事から話が始まった。
実はこの古い友人はお話会の長老の一人。
彼女の読み聞かせや語り手遊びなどは、
きっと赤ちゃんに喜ばれるに違いないと。

私が小さい子どもを二人連れて初めて行ったお話会が、
彼女のものだった。
この時の事は今もはっきり覚えていて、
耳から聞くお話と言うのは、すごいものだなぁと、
目を見開かれた。
その後幼稚園にも来ていただいてお話してもらった。
この時のお話を息子は長く覚えていて、
多分今も覚えていると思う。
そして以前書いた事だけど、我が家が引っ越ししたら、
偶然ご近所さんになったのである。
もう一人の長老は九州に引っ越ししてしまったが、
うちの近所は稀に見る、
クオリティの高いお話おばさんの巣窟だったのである!

人や出来事との出会いも、つまるところ、
たった一度の偶然から始まる。
印象深い経験をたくさん経て子どもも大人も育っていく。
味噌から始まったわけだが、
せっかく出会った赤ちゃんたちだから、
ぜひお話や本との楽しい出会いを体験してほしい。

蛸読了

蛸の本やっと読み終えた。
しばらくしてもう一度読んでから、
改めて紹介したい。
肝心の部分がちゃんとわかっていないかもだから。
それにしてもやはり違和感があるのは、
本のタイトルである。
原書の題はOTHER MINDSと言う。
蛸とわれわれの共通の先祖は大昔に枝分かれし、
頭足類の一部と脊椎動物とが、
別々の過程を辿って大きな神経系を持つに至った。
スケールのでかい収斂進化である。
この本では非常に真面目にもう一つのMINDの進化を、
語っている。
「タコの心身問題」という日本語の題は、
やはりおちゃらけていて本書の格調を伝えていない。
確かにこのタイトルで売れたのかもしれないが、
あざといという感覚は拭いきれない。

本書の最後はやはり現在の海の問題に触れている。
海水の酸性化、プラ、辺野古、鯨、原発
日本人が海を破壊する先頭に立っているのは、
まぎれもない事実である。
われわれ地球の生き物は、すべて海で生まれた。
私たちの本当の故郷は海である。
面白くてやがて哀しい蛸の話。

納得や、、

せめて、化学肥料を使わないサトウキビ栽培にシフトしていきたいけど。補助金と化学肥料がセットになっている。。補助金なしでキビ栽培が上手くいくにはどうしたらいい??

ウチマミカさんついとより

初めて知ったが、
我々が知らないだけで
きっとこの手の事はいっぱいあるのだろう。
企業のために国が農薬漬けの応援!
日本ではオーガニックが広がらない訳やな。

蛸の話2

蛸の本は意外に難しくて、まだ途中だが、
一回読んだだけではよく理解できない部分がある。
でも面白いしいろいろ考えさせられる。
本当に不思議な生き物である。
蛸は固有の形と色を持たない珍しい生き物なので、
個体識別が非常に難しい。
著者は彼らの表現者としての個性で名前をつけている。
マチスカンディンスキーブランクーシなど。
それほどまでに、彼らは無限の芸術的表現力を持っていて、
体の表面をスクリーンのように使って、
刻々変わる美しい色のヴァリエーションを見せたり、
ディスプレーと呼ばれる、特別な体形の変化を見せる。
貝のような殻を捨て、骨までも捨てた蛸は、
被捕食者としては甚だ弱い立場にある。
保護色を身につけるために生まれた、
色の自在な変化であるが、そういう場面でなくても、
捕食者や他の蛸がいない時も、披露される。
独演会という状況になる。
要するにそれがどうした、という感じなのである。
蛸と比べる生き物としてヒヒが出てくる。
ヒヒは複雑な社会性を持っているが、
鳴き声のパターンは3種類しか持たない。
ヒヒに関してはかつて
「サルなりに思い出す事など」という本を読んだが、
厳格な階級制のある社会で、
低位の母親から生まれた子どもは、
一生惨めな立場に置かれる。
本当に読んでいて気の毒なくらい厳しい社会である。
表現力過多の蛸とめっちゃ貧弱なヒヒ。
私は蛸にちょっと似ているような気がする。
表現したいという欲求だけがあって、
それがどうした、という感じ。

 

葛根湯

毎日せっせとブログは書いてるし、
たまに個展なんてものもやるから、
誤解される事もあるんだけど、
私は、ほとんどしょぼくかなり暗く、
しがない感じの人です。
元気発剌やる気満々というタイプでは全然ない。
社交的でもないし。
身体が丈夫とも思えないけど、
耳と目が悪い他は特に持病もない。
この前こんちさんの塗装で使うので、
綿棒を探して薬の引き出しを開けた。
そしたら葛根湯が出てきた。
昔母や姉の界隈では、風邪のひきはじめに、
葛根湯を一発飲むと正式にひく前に治る!
という思想がはびこっていた。
小川町だか神田だかの漢方屋さんに、
頼まれて葛根湯のお買い得タイプを、
買いに行かされていたものだ。
当時は当然私も葛根湯効くよねぇ、と思っていた。
しかしふと気がつくとこの10年以上、
風邪というものをひかない。
だから葛根湯はすっかり忘れ去られていた。
私は元気発剌ではないが風邪はひかない。
風邪の感じを忘れた。