松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

ジャニスの続き

ジャニスは時間や場所の拘束を嫌った、

みたいな表現が出てくるけど、
つまりは自由を求めたという事。
そういう人が少し子どもに似ちゃうのは当然で、
本来子どもが持っている自由を失ったのが、
大人って訳だから。
例えば場の空気を読むみたいな能力と引き換えに。
彼女の場合は周りの人もそこに、
引き込んでしまう能力があった。
コンサートの聴衆について、
「みんな、ケツのとこを、ちょっと、
蹴ってもらいたがってんのよ。」
「私が、踊っていいよって言ったんだよ。」
というような事を度々話している。
さまざまな拘束から解き放たれるという経験は、
その場限りだったとしても意味がある。
彼女には長く生きていて欲しかった。

本の中に「フェスティバル・エクスプレス」の話が、
たくさん出てくる。
トロントからキャルガリーまで、
ミュージシャン達100人ほどを乗せて走った、
5日間の列車の旅である。
途中の町でコンサートを行い、車中ではセッションやり放題。
なんという素晴らしい企画だろう。
これについてはザ・バンドの方の情報から知ってはいた。
リック・ダンコが嬉しそうな顔で、
ジャニスと写っている写真も見ていた。
しかしこの企画は参加者には好評だったにしろ、
興行としては大失敗だったせいで、
長く記録はお蔵入りしフィルムも散逸していた。
30年も経ってから映画が公開されている。
それでもまだ75時間分の記録のうち、
46時間分が見つかっているにすぎないが。
私はバンドが全員参加したと思っていたが、
この本を読んでリック・ダンコだけだと知った。
この映画は一度見てみたい。