「スクェア」
「ここは、おっそろしく、スクェアよ」
「でも、少し飲んじゃえば、どこだってちがわないわよ!
そうだろ?」
町でちょっと入るバーを探している時の話。
スクェアという言葉を久しぶりに目にした。
私の学生の頃は自分でも使っていたような気がするが。
頑迷で古臭い、つまりはいけてないって事。
ジャニスは粗野で乱暴な言葉遣いをする。
そしてそのいでたちは、
羽根飾りやビーズ、大量のブレスレットと、
ヒッピームーヴメント最中のアメリカでも、
人目を惹き、あるいは人眉毛をひそませる、
独特のものであった。
実際は大した読書家で知的な女性であったが。
そういうところもレニー・ブルースにそっくりである。
彼の読書量も半端ないものだった。
二人とも身体を張って抵抗するまさに勇気の人である。
スクェアについては、
自分が批判される年寄りの年齢になったんだと、
気がついた。
しかし今の若者に、
スクェアだなんて言われる筋合いないよ私は、
と、突然ムッとした。笑
全く嫌なばばぁになったもんである…
こういう年寄りは今ならどんな言葉で、
若者に批判されるのだろう。
知りたいような気がする。
「やつらを喋りたおせ!レニー・ブルース自伝」
「ジャニス ブルースに死す」
デイヴィッド・ドルトン著
田川律・板倉まり訳
共に晶文社刊