松井なつ代のやま

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推測

人がものを考える時に、
実際に自分が経験したことを基準にするのは、
当然のことである。
しかし1人の人が経験できることのバリエーションは、
限られている。
でも人間には推測するという能力があるから、
実体験と関係付けながら、想像することができる。
うまいこと関連づけることができれば、
推測の精度を上げることも可能である。
推測は、人の気持ちを思いやるというような、
情緒分野でも必要だし、
何かうまくいかなかった時に、
原因を探る時などにも必要である。
想像力というもののことでもある知性というものでもある。
幼児は数少ない自分の経験だけから、
ものを考えているから、時にわがままだったり、
聞き分けがなかったりするのは当たり前である。
反対に以前読んだ炭焼きのおじさんの話にあった、
必要な出来上がりの量を、
山の木を見て判断すると言うような能力は親父にかなわない、
なんていうのも、
推測、実際の経験の繰り返しの関係づけという、
長年の連続だけが可能にする能力である。
こういうものは年長者にはかなわない。

推測する能力はいろんな分野の賢さの、
基本になるのではないかと思う。
推測は一応するがこれの精度がいくつになっても、
上がってきていない人というのが、
どうも最近多いような気がする。
なんやかんやの経験はあるのだろうが、
ぼんやりやってると役に立ってこない。
精神的にも幼児とあまり変わらないというね。