松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

動物の賢さに戻る

「すべての見えない光」は読み終えたが、
まだ考え続けている。
知識を持っていることと、
本当に知っていることの違いは何だろうか。

「動物の賢さ、」の方に戻ったが、
いやはや延々と、人間は唯一無二の特別な存在である、
と主張する者達のめちゃくちゃな、
反撃が続いていて、ややうんざりする。
著者はこの傾向は欧米では当分続くと言っている。
欧米とことさら書くのは、
日本の存在が念頭にあるからである。
著者は霊長類の研究者で、日本の学者との交流もある。
日本人の研究者もまた擬人的すぎるという欧米からの攻撃を、
長年受けてきたことを知っているのである。

人間は実際かなり特殊な動物ではある。
しかし他のすべてとの間に高い壁はないし、
なだらかに繋がる進化の延長上にある。
ただそれだけのことが受け入れられない人たちが、
こんなにもいるのかと、げっそりする。

人間は最も優秀な特別な存在であるという考えは、
ゲルマン民族は最も優秀な特別な存在である、
というのと全く同一線上にある。
日本人すごい!もまた、同様である。