松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

今朝の書評欄

今朝の朝刊はなかなか皮肉である。
左ページにチョムスキーの新著、
「アメリカンドリームの終わり」があり、
その右に、ナイキの創始者自身の著作、
「SHOE DOG靴にすべてを。」がある。
ナイキはアメリカ資本の多国籍企業としては、
典型的なグローバル企業であり、
その戦略のひどい搾取ぶりは有名であるはず。
この本に鬼塚タイガーを裏切りと書いてあるらしいが、
これも事実に反するのではないか。
チョムスキーは一部のエリートが、
民衆の無力化を図り、もはや民主主義を蝕んでいると、
批判している。
日本人の評者はもちろん別の人だが、
それぞれにその本を評価しているわけだ。

世の中の人の物の見え方は、
本当にこういう感じで、全く別の観点から、
人はものを考えている。
全く反対の話を根拠にして、
嫌いだの好きだの正しいだの間違っているだのと、
言ったり考えたりしている。
依拠する事実が違えば歩み寄りは難しい。