松井なつ代のやま

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真剣に

登山家の山野井さんは、
登山は自分にとって「真剣な趣味」だと言っている。
山へはスポンサーをつけたりせず、自腹で行く。
だれに頼まれるわけでもないのに。
頼まれるどころか両親などは、
どっちか言うと行かないでほしいと思っているだろう。
しかし彼らには山に登る自由がある。
その結果起きた事について、責任を引き受ける。
彼らは泣き言も言わなければ、人のせいにもしない。
真剣なというところが大事である。
彼ら自身は他人の評価を全く気にしないが、
真剣な行為は人に影響を与えるような、
ある種の価値を自然に帯びる。

世の中には天才みたいな人がいて、
楽々やれちゃう場合もあるが、
真剣に一つの事に励んでいると、
凡人でもいくらか上手になりミスなども少なくなる。
私はできる事が偏っていて、ミスの多い人間だが、
長く続けている分野ではさすがにあまりミスはしない。
例の誤植の話だけど、
最近はお金がないからプロの校正者を入れないのかもしれないが、
編集者は全部に目を通しているはずである。
私でも気がつくような誤植が出てくるのは、
真剣さがたりてないのではないかと思えてならない。
編集者にとっては、
長く続けている専門分野であるはずだろう。

真剣にやらず、責任を取らないなら、
何もかもぐずぐずになってしまうよ。