松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

「愛鳥自伝」

久々の友達が、

片付けしてたら出てきたけど、
すごく面白いからと、本を貸してくれた。
中西悟堂の「愛鳥自伝」
マジ面白い。
野鳥の会を作った人として有名だが、
歌人であり詩人であり、
画家を目指したこともあり、
僧侶でもある。
いろいろ多方面に面白いが、
昔のインテリはやはり凄くて、
教養の幅も広く深く、今時の、
ごく狭い範囲を専門分野と決めて、
チマチマと深掘りする学者とは、
だいぶスケールが違う。
そして皆さん早熟。
全然幼稚ではないのが素晴らしい。
大正初期の我が国の詩の分野の活発なこと。
驚くべきものである。
上田敏の「海潮音」という訳詩集は、
有名だが、これは確かに凄いものだなぁと、
初めて知った。
次々と詩集が出版され、
詩の雑誌も編まれ、
その背後で同人誌がどんどんできる。
俳句短歌の世界ではすでにあったものだが。
どちらにしろ歌を読み詩作する、
一般人が沢山いたということ。
彼らは遊んで暮らせる身分ではなかったが、
そういうゆとりのある暮らし、
であったという事だ。
現在と国民の教養の程度は、
だいぶ違う感じ。