松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

評価

自分の古い本棚から古い本を出してきた。
花田清輝の「日本のルネッサンス人」
これは彼の最後の著作らしい。
庭の本に出てきた人がまた出てきたりして、
そこがタイミング的に面白かった。
この人、博覧強記で、やけにマイナー臭い古い書物を、
うんと読んでいて、専門の、
国文学や歴史学者より場合によっては、
詳しいのではないかと思う。
しかし強気で自信家なところがちょっと嫌味っぽいの。
人と違う視点を持つことは意味があるんだけど、
自慢臭くなってしまう。

松岡正剛加藤周一が私が嫌いなのは、
そういう感じがあるところ。
面白いんだけど好きになれない。
ものを知っているのはいいことだし、
自信があるのも悪いことではないけど。
南方熊楠はまさに博覧強記で自信家だが、
ちょっと桁が外れて馬鹿みたいなところがある。
本人は世間的な評価が低かったことを、
悔しがっていたのかなぁ。
ああ見えて宮沢賢治もかなり自信家で、
非常に評価されたいと望んではいた。
生きてるうちにはさほど有名になれなかった。
心中は複雑なものがあったのかもしれない。

そう考えると大抵の人は、
他人の評価がやはり欲しいのかもしれない。
おじろくの話じゃないけど、
全く評価されない事で、人は精彩を失っていく。
人間がそれだけ社会的な生き物だという証拠だが、
そこそこで満足することも大事だろう。
それと、他人の目ではなく、自分の目指す何かとの、
距離で評価と同様の満足を得ることも可能だ。
(作った刃物の出来栄えや高い岸壁を登りきること等)
私の好きな自由な人たちは、
そういう何かを持っていると思う。
そっちを重点的にしたほうが、
気持ちがいいんではないか。

干し方

洗濯物の干し方なんて、
好きにすりゃいい訳で、
他人にああこう言われる筋合いもないし、
私も人には言わない。

しかし厳然とここには自分のやり方というものが、
あるのである。笑
この度、洗濯物干しを買うにあたって、
私はこう干したいと言うのがはっきりわかった。
世間では、
(よそ様のベランダなど目のはじに入るわけだ)
Tシャツなどをハンガーにかけて干す人が割におおい。
型崩れしない、乾きやすい、洗濯バサミの跡が残らない、
など長所はたくさんあるだろうが、
私はあれはやらない。
やりたくない。笑
なぜだろう。
あと、ズボンなど裏返しにして、
ポッケなどビラビラする感じで干す人もいる。
あれもやらない。
私はただペタンと半分に折れるような形で干す。
ただし割にマメにパンパンとシワは伸ばす。
だからシンプルに横棒さえあればいい。
靴下など小さいものは、
洗濯バサミがぶら下がったやつに、
ぶら下げる。
ハンガーは嫌いである。
好きにさせてくれ。
うるさく口を出す小姑などいなくて良かった。

ものの値段

洗濯物の室内用物干しを買った。
今まで使っていたのは姉に譲ってもらったもので、
使い出してもう25年くらいになる。
ステンレス製でしっかりしているんだが、接着部が外れて、
ぶらぶらになったバーが何本もある流状態で、
今日に至った。
目につく製品はどうも大きすぎたり小さすぎたりで、
いまひとつ気に入らない。
昨日ふと思いついて調べたら、
外国製のものに気に入った形があった。
なぜかすごく安い。
ドイツのデザインでブルガリア製で3700円で買える。
自重が軽めなので不安定かとも思ったが、
古典的なシンプルさが良かったので。
珍しくアマゾンで注文した。
そしたら今日もう着いて送料無料だという。
なんか変な気分。
この前は自動車のタイヤの収納ケースを買ったがこれも、
日本製だが3600円ぐらいだった。
これはヨドバシで買ったが送料無料。
なんか安いのは嬉しいが、
誰かが絶対損させられてるようで気持ちが悪い。
翌日つかなくてもいいし、
送料無料でなくていいし、
せめて5000円ぐらい取ってくれてもいい。
どちらもそれなりにちゃんとした製品である。
それともすぐに壊れるのだろうか。
どうも最近の我が国はものの値段の体系が、
崩壊しているように思う
輸送に関わる部分のスピード合戦も異常な気がする。

会長のお仕事

ついに昨日、私は犬のマッサージ師として、
デビューしてしまいました。
ちょっと気になる犬がいて、
公園で会った時にマッサージしてあげたら、
そこの奥様が激しく興味を持たれ、
ぜひやり方を教えて欲しいとおっしゃるので、
うちに犬を連れてこられて、いろいろお話ししながら、
マッサージを試みた。
いつもお散歩担当はお父さんなので、
お母さんは初めてお会いしたのだが。
お母さんは体調がすぐれないというので、
こちらも甘酒など処方(笑)してみた。
犬のマッサージ師稼業は麹ともの会会長の業務と、
実に地続きなのである。
私は長年ピピンのマッサージをして、
少しづつ習得した訳だが、その効果に関しては、
絶大な自信を持っている。
きっとにこちゃんは幾らか元気になるだろうし、
老犬に差し掛かった時の困難が減ると思う。
お母さんも麹で元気になるといいが。

横浜

横浜はやはり負けてしまいました。
大阪にしても東京にしても、
大都市ほど悪い選択をしてしまいます。
この投票率では、
自民の組織票と公明党の票で、
決まってしまう。

選挙期間中に、横浜は中学の給食がないという話と、
図書館が貧弱という話がでていましたが、
人口当たりの図書館は全国で一番少ないのが神奈川らしい。
図書館に関しては、常日頃、
杉並区がひどいと文句を言っている私ですが、
それより酷いらしい。
姉の住んでいる金沢は図書館がすばらしく、
いつも羨ましいのだが、数で言えば、
全国で11番目であるという。
福井も富山も石川より多かった。
概して北陸は優秀でした。
図書館は大事です。
全く公平に文化や知識にアクセスできる、
素晴らしいシステムです。
屋久島に行った時民族資料館で、
移動図書館の本を入れる箱を見て感動しました。
こんな小さな人口も少ない島でも、
ちゃんとアクセスの方法を、持っていたのです。
横浜はだいぶ頑張らないとまずいです。
カジノ作ってる場合じゃない。

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一位の山梨と神奈川の差がすごい。

石川は9位の間違えでした。

「暮しの手帖」

今日は婆さんのものと思われる、
暮しの手帖」を何冊か読んだ。
どなたかがプレゼントしてくれたもので、
カードが入っている。
カードが入ったままになっているところを見ると、
婆さんはさほど熱心な読者ではなかったようだが。
この雑誌は実家の母が定期購読していたので、
私は馴染みがある。
実になんともいえず懐かしい。
これは編集のコンセプトがはっきりしていて、
良い雑誌であるから末長く続いて欲しい。
読むところが多い。
料理のページも良いヒントがある。

太郎くんというダウン症の男の子の、
就職活動の記事をを読んだ。
母親の手による文章である。
彼はデニーズに見事に就職が決まるのだが、
そこに至るまでの実習の様子、
養護学校の先生や受け入れ先の人達など、
親を含めて彼を取り巻く人々の様子や、
本人の奮闘ぶりが、実にリアルに描かれていて、
結構長いが面白く読んだ。
私はファミレスというものにあまり行かないが、
中で最も好感を持っているのが、
まさにデニーズである。
これを読んでますますファンになった。
良い企業である。