松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

総合的に救いようのないNHK

残念なのはNHKが学校放送としてやってきた高校講座。十年ぐらい前からタレントさんの導入を決め、講師ではなく、タレントさん主導にして、番組も30分から20分に短縮。こういう番組まで「エンタメ化」するのは何とも残念なことです。真剣に学ぼうとしている人がいるのに。
高校講座って、通信制の高校に通う人たちの教材なのですが、エンタメ化を進めた当時のNHKの部長に、どうせ生徒はみてないんですから、先生が30分もしゃべる作りでは番組にならないと言われた時は、とても悔しかったですね。

内藤先生のついとより

こういう人がNHKでは教育番組を作っているのか。
だからああいう意味のない再現ドラマが入ってくるわけだ。
再現ドラマが悪いと言っているのではない。
映像には映像にしかできないことがある。
全くの安易なイメージショットだからおかしいのである。
秀吉とみられる殿様が暗闇の中で、
扇を振り回して激昂しているショットとか、
浜辺でクワトロラガッツィと思われる人が、
別れ別れになる場面とか、
いわゆる埋め草みたいなもんである。

自分が勉強したくないからって、
人もそうだと思わないでほしい。
「番組になる」というのが、エンタメ化の事なら、
番組にならなくて結構である。
実にNHKは総合的に無意味なものになっている。

民主主義の人気

「世界」にもう一つ民主主義に関する、
世界的な統計調査の記事がある。
「民主主義の脱定着へ向けた危険」
タイトルがなんかちょっと変な気もするが、
メルボルン大学ハーバード大学の先生の、
共著の、浜田江理子氏の翻訳である。

アンケートの分析だが、
アメリカとヨーロッパで同様の質問をする。
アジアのものはないが、
これが日本とも完全にシンクロしている。
言えることは民主主義に対する支持の低下、
権威主義、軍政に対する支持の上昇である。
過去30年のアメリカの数字で、
非民主的の代表と言える「軍政」が、良い、とても良い、
とする人は増え続けている
現在では六人に一人。
特に富裕層で急速に増加している。
この傾向は富裕な若者の層で特に強い。
1995年の調査、軍による統治が良いと答えたのは、
6パーセント、それが現在では35パーセントである。
ヨーロッパでは6パーセントから17パーセント。
これは民主主義を憎んでいるかの様な現政権を、
支持する若者が、東大に多いという、
日本の状況とも重なっているように思う。
いま手元にある富を1円たりとも他の人のためには使いたくない、
と考える人々が、
民主主義を嫌っているんではなかろうか。

ヨーロッパではやや緩やかな変化ではあるが、
世界的な傾向である。
全世界的に民主主義は支持を失いつつあって、
ここまでくると、
始めるのは大変だなぁ…と弱気になる。

「ぬ」絵札

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「ぬーの だいじな ぬかみそ」です。

ヌーはあまり一般に知られていないだろうな、
と思ったのですが、
この前来た友達に「ヌーってわかる?」
と聞いてみたら即答で、
「わかるわよ、幼稚園で絵本に出てきたじゃない」
というお答えだったので、
大喜びでヌーに決めました。
たしかに、吉田遠志さんという作家の先生が講演に来られて、
幼稚園で一時アフリカの動物の絵本が流行っていました。
結構覚えているものですね。
しかし、難しいのが残ってきている…
わけであります。

ヌーはアフリカに住むウシ科の動物です。
私は以前「つのシリーズ」という、
人気のないシリーズを描いていた時に、
いろいろな角を見ました。
角が立派なのはたいてい、うし、やぎ、しかです。
結構凄いのがあります。
私は角が好きです。

今朝の東京新聞から

今朝の新聞のトップは、小学校あ5、6年から、
英語が教科にはいるという記事。
いよいよきましたね。
少しづつ衰退していくのではなく、
ここでガクッと断絶します。
もはやルーツと切れた何者でもない日本人が誕生する。

チベット人は難民収容所でも、
必死に子どもたちに、
長く受け継いできた仏教を教えた。
それがなくなっては、
自分たちのアイデンティティが無くなってしまう。
これがあれば、どこにいても誇り高く生きていけると。
私にはママたちの、
「日本の本なんて読んでないで英語の勉強しなさい」
という声が聞こえるんだけど。

蕗の薹

今季初の蕗の薹は香りが弱いように思ったが、
蕗の薹味噌にしたら、やばいうまかった。
ま、何度も言うけど味噌だけでも美味しいから、
無理ないのであるが。
今回は蕗が弱いと見て、ごま油で炒めるタイプにした。
ごま油で刻んだ蕗の薹を炒め、
そこにお酒、赤酒、味噌を入れて、
ねりねりする。
たーだそれだけー、である。
こういうもんがあると、ご飯をもうちょっととかって、
ついじゃって、食べ過ぎる。
お食後のビッケもあと一枚なんて。
完全にりんごとどんぐりでふとりすぎ、の
あいつの様に、腹をさする感じに…

バカにされてばっかり

親切な友のおかげで又、
天正少年使節のテレビの録画を見ることができた。
しかしだ、なんで最近の番組は、
あんないい加減な再現ドラマを絡めるのか。
場面の設定の信ぴょう性のなさで、
かえって事実から遠ざかる間違った印象を植え付ける。
せっかく星野さんの話を聞こうと思ったのに、
嘘くさいラガッツイが海辺を歩いているシーンなどに、
時間を食われて、肝心の内容が薄くなってしまった。
人をバカにしとるのか?
ああいうものがなぜ必要か、心から理解できない。

この前娘とも話したが、
「土と内臓」のイントロの部分、
やけに馴れ馴れしい文体で、私は初っ端から、
えっ…と、愕然として、
一瞬止まって、翻訳者の名前を確認したりした。
本文に入るとだいぶ良くなったので、
許してやったが、ちょっとギリギリ。
初っ端から硬い文体だと、
本が売れませんよと、うるさく言っている、
編集者が横にいるのかな。
あまりにも文体が砕けすぎると、
内容の信頼性さえ揺らぐし、
こっちはまじめなんだよ、と不愉快な気分になる。
文体にも映像にもTPOというものがあるだろう。