松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

また読んでしまった、

やっぱり、王のしるしは面白かったです。

読むのは多分4回目か5回目だと思うけど。
今回はまた新たな発見もあったし、
何度もいけるね。笑
猪熊さんの訳はなかなかこっていて、
雷という字を、いかづち、とふったり、
かみなりとふったり、芸が細かい。
荒々しい物語にぴったりなクールな語り口。
川の水が泡立つ様子を、
発酵に例える表現が二度までも出てきました。
イギリス人にとって、
発酵の現場を見る機会は、
多いのでしょうか。
ビールとか?かなあ。
発酵好きとしては興味深いところ。

1人の奴隷身分であった剣闘士が、
容貌が似ているというだけで、
ある部族の王に仕立てられる話だが、
最後は王にしかできない決断を下し、
真の王として見事な最後を見せる。
女系部族の王殺しの儀式や、
馬族の王の戴冠の儀式など、
文化人類学者顔負けの詳細な描写も、
面白い。
もちろん目の位置がずれているコノリーは、
最高にかっこよかったです!