松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

フロンティアスピリッツ!

本はまだ途中だが、
驚くほど多様な生物が奇跡のような進化を遂げて、
繁栄するこの地球を、お釈迦にするとしたら、
主犯はアメリカだと思う。
アメリカというのが語弊があるならアメリカの作り上げた、
経済システム、文明の形、それを津々浦々に、
強制的に広げたことが原因であると思う。
これは前々から思っていたことが。

そもそもフロンティアスピリッツいう奴がいかん。
昔何で読んだか忘れたが、
アメリカの西部開拓時代の話。
血の滲むような苦労をして原野を切り開き、
耕地ができて小麦だのとうもろこしだの、
植え付けられるようになる、そうすると、
その場所は捨てられ、より奥の次の場所に行くのだと。
そうやって見捨てられた家と土地がいくつもあったらしい。
何らかの理由で住めなくなったから、
見捨てられたわけではなく、
「住めるようになったから」捨てられたのである!
フロンティアそのものが目的なのだ。
征服することに対する欲求がとにかく強い。
アメリカのキリスト教原理主義のかんがえも、
人間が世界の頂点であって、
なかんずくアメリカ人でなくてはならん。
こういうセンスは、
ごく良心的なリベラルな人の言葉の中にも、
ポロリちらりと出てくる。
「我々の内なる細菌」にあったのは、
第二次大戦の前後、ペニシリンの実用化に成功し、
原爆の投下で威力を確信したころ、
アメリカ全体がその技術力で世界を制覇したという、
全能感にわき返ったと。
その後大量生産大量消費のイケイケの時代に。
こう言う考え方が覇権主義の根底にあると思う。
強さへの憧れ、ネガティブに言えば好戦的で謙虚さなどない。
ま、ポジティブに言えば、常にポジティブってことか。
彼らにとって、
人間の先端技術で解決できない気候変動のために、
経済活動を停滞させることは、
敗北でしかなく決して認められるものではない。