松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

またキューバ

キューバの災害対策の本を読んだのは、
だいぶ前だから取材したのもだいぶ前だと思う。
それでも我が国は少しも近づいていない。
後退しているくらいではないか。
その当時やまにも紹介したはずだが、
探すのがめんどくさいから探さないけど。

今回最大風速60メートルとか言われていたが、
キューバのハリケーンは80とかになるものもある。
それでもこの何年かは死者ゼロという事だった。
ハリケーンに備えて丈夫に作ったシェルター的なものが、
町のあちこちにあって、キューバはものが豊富でないから、
ここに大事なものは運び込んだりしている。
子どもたちは避難先に配置された先生と勉強したりして、
なんか楽しそうですらある。
ペットの避難先には獣医師がスタンバイしていたり、
我が国とはレベルが違う。
避難と言ってもキューバは車が少ないので、
バスでもトラックでもあるだけの車を総動員して運ぶ。
病人や老人子どもは最初に避難するように、
優先順位も決められている。
地域の災害担当の役人はどこにどんな人が住んでいるかを、
完璧に把握している。
要するに災害時の対策を常に工夫して更新している、
という意味で世界一なのではないか。
その証拠にキューバの災害救助隊は、
非常に優秀で世界のどこかで大きな地震などが起きた時、
いつも一番乗りで到着する。
どこの国でも行く。
これは有名な話だから知っている人も多いだろうか。
それでも日本ではキューバの印象は、
キューバが大嫌いなアメリカのバイアスが、
かかったイメージしかないと思う。
小さくて貧しい国であるのは確かだが、
それでもやれる事をしっかりやる非常に賢い国である。
医者の育成も有名で、主に南米の国々から、
多くの留学生が勉強に来ている。
豊かな資源、肥沃な耕地、豊富な労働力などが、
一つもなくてもやる気さえあればできる事の代表は、
何と言っても教育だから。
国民の教育水準も高い。
あと、オーガニック農業の研究も、
世界でもトップクラス。
食料の不足から否応なく始まった事である。
これはアメリカからも視察に行くらしい。
キューバの本のシリーズはどれも非常に面白かったが、
もう一度読んでもいいかも。
がっかりしちゃうかもしれんが…
国が小さいからできるんだという人がいるだろうが、
じゃあ市町村の単位でこういう事をやってるか。
やはり基本的な考え方の違いである。
十年一日のように避難所といえば小学校の体育館で、
あの雑魚寝状態を見ると、やる気があるとは思えない。