松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

エルサ・モランテ

自分の本の整理をしていて、
エルサ・モランテの「アンダルシアの肩かけ」
が出てきた。
この本のことはすっかり忘れていて、
もう一度読むことにした。
表題作はやや長いがあとはみんな短編である。
モランテはお話作りが上手すぎるから、
読み急いでしまって、忘れてしまったんだろうか。
読後にイタリア独特の重さが残る。
重いというのも少し違うかもしれないが、
寂しさや悲しさや愛情などが濃くて、
どことなく古代的な感じがする。
イタリア人は呑気で明るいラテン系を装いつつ、
妙にずっしり残るものを持っている。
パヴェーゼやプリモレーヴィなども。

著者を最初に評価したのが、
ナタリア・ギンズブルグであり、
20年くらいモラヴィアと結婚していて、
離婚した後モラヴィアはダーチャ・マライーニと同棲する。
マライーニは能登の舳島についての本がある、
民俗学者の娘である。
子どもの頃日本に住んでいた。
なんかオールスターな感じである。