松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

「百年のあとさき」おしまい

米澤弘安についてまたちょっと。
どうもこの人が特別だったようには思えないが、
とにかく好奇心旺盛でやる気がある。
様々なお寺の講話を聞きに行く。
宗派は問わないので、信仰とも少し違う。
だってキリスト教の教会まで行ってるし。
アインシュタイン相対性理論についての映画が、
かかった時は、専門家の講演付きで見ている。
全くアインシュタインまで出てくるとは、
恐れ入った。

また芸能関係では、祭りやイベントには、
必ず浄瑠璃、漫才、手踊りなど、
素人プロ入り乱れての公演がひっきりなしにあり、
仲間内で楽しむものの含め、
(家にも楽器がいろいろあったらしいし、)
弟の清二はヴァイオリンまで演奏する。
(この楽器はレンタルだったらしい)
日常の隅々に音楽や踊りがある。
これも恐れ入るね。

ま、人間の頭や感性も使わなければ劣化する。
使えばどんどん磨きがかかるということだろう。
寒さや雪や暗い夜道も、
物ともせずに季節の巡りに合わせ、
人付き合いを欠かさず、お楽しみも欠かさず、
その充実した日常の有様に、圧倒された。
勝負にならんね。

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左は弟清二

2013年 北國新聞社刊 砺波和年著