松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

「呪われよ」

施設での殺人事件の時、誰かがツイートしていた。
さっと流してしまってちゃんと見なかったが、
網野さんが言っていたのはこれか!と思った。
以前読んだ網野さんの本に差別に関する話の中で、
ちょっと出てきて印象的だった。
縄文時代の遺跡で、
先天的な重い障害のある成人の骨が埋葬されていたという話。
介助無しには生活できなかったと思われる人が、
然るべき援助を受け長く生きたという証拠の一つである。

また中世では呪いを怖れて、戦いで殺した後に、
手厚く埋葬し、祀ったという話の中で、
ずるいやり方、卑怯な方法でやった時ほど、
念入りに葬ったと。
この時代には、これはまあ正当だろうとか、
今回やばい、汚い手を使ったし、呪われるレベルかも…
などと言う判断の基準があったという事だ。

いろいろ考えると、今ほど無茶苦茶な時代はないのかも。
余りにも不正義な事がまかり通っていて、
しかもなに恥じることもない。
少しは呪いを恐れるべきである。
(「呪われよ」はハサン先生のおはこである。)

そんなこんなで、以前やまで岩波から出るよと紹介した、
網野善彦の対談集を近所の図書館に取り寄せを頼んだ。
姉が図書館で見つけて読んで、大変面白いという。
なんと杉並区はこれが中央図書館に一冊きりしかない。
一巻は貸し出し中だと。
姉の図書館(石川県)とは張り合う気もないし、
イルカの話によると府中の図書館も優秀そうだし…
人口で比べて見いよ、
杉並区の図書館は絶望的に貧相である。
一冊入っていたことは運が良かったのか。