小説の進みゆき
万延を万永と間違えて記憶していた。
字面がなんか変だと感じて、
やっと気がついた。
私は本当にバカでいやんなる。
と言うわけで、やっと3分の2程に、
たどり着いた。
非常に緻密な文章で、
さらさらとは進まないが、
想像してたように、
難解でも読みにくくもない。
どんなニッチな隙間にも、
何がしかのリアリティが、
こめられていて、無駄なものがない。
周りがフェイドアウトした、
一つのイメージではなく、
隅々までピントの合った、
立体的なリアリティが立ち上がる。
少しエピソードが盛り込みすぎの感はある。
スーパーリアリズムのフィクション。
そう言うものが私は嫌いではない。
解像度や暗さなどが違うにしても、
一種のファンタジーのような。
現実の世界で、うかうかと日々を過ごす、
ぼんやりな我々が、
うっかり入り込んだ物語の中で、
何事かを知ってしまうと言うような仕掛けが、
ファンタジーなのだとして。