「見るべきほどのこと」
私は常々早く姥捨山登山したーい、
と言っているわけだが、
「見るべきほどのことは見つ」
と言って、登り始めたいところだ。
やはり言えないかなぁ。
この言葉は平知盛のものである。
先日古本市で買った絵本、
(木下順二、瀬川康夫)に、
「平知盛」がたまたまあった。
それを読んで、見るべきほどのこと、の、
中身が私が思っていたより、
もっと重くて辛いものだったんだなぁと、
少し理解できた。
平家物語本体ではなく、
絵本で読んだところが、さすが私だけど。
私にはたぶん、まだまだ見るべき物が、
あるような気はするが、
見る機会は与えられないかもしれず、
それもまた運命だろう。
知盛さんほどのお立場ではない、
一般人だから、許されるんではないか。
見ないで死んでも。
最近は元気がなくて、
難しい本は集中できないし、
文学的なものは入り込めなくて、
世界か現代思想とか、
そんな雑誌ばかり読んでいる。
前から気になっていた、
松本大洋が挿画を描いている、
新訳平家物語を読んでみようかなぁ。