松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

大昔の夏

昨日は久々に、

少し涼しい日でした。

ここ数日の暑さはすごかった。

私の子どもの頃はこんなに、

暑くなかったよね。

30度なんて言えば大騒ぎだった。

古いオンボロの町家に住んでいましたが、

ある日学校から帰ると、

家全体が夏仕様に、

変わっていた日のことはよく覚えています。

おーー!て感じ。

建具の襖が、あしだかよしだか、

丸い筒状の植物をはめ込んだ、

風通しの良い板戸にかわり、

縁側に簾が下がっている。

お玄関の衝立も夏素材のものに、

変わっていたと思う。

家の中は少し暗く、

実際涼しかったような気がする。

なんか平安時代の話みたいけど、

ただの昭和です。

この家に住んでる頃は、

江戸時代みたいなことはいっぱいあった。

お醤油は漆塗りの手おけに入ってたし、

玄関先で、

婆さんが着物の洗い張りもしていた。

長い板に貼りつけて。

豆腐屋さんは車を引いて売りに来たし、

冷奴用に薄板にカラシをつけてもらった。

うちの方はおやっこは、

練りがらしで食べるんだよ。

お隣の背の高い松には、

天狗さんが住んでるという噂だった。