松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

「世界の使い方」

今日は雨と風で、

薔薇の花は重くて垂れ下がっています。

ブラッシュの薔薇は、本体が、

ベランダから垂れ下がるような、

形になっています。

菊で言う崖造りみたいな。


だいぶ前から読みかけの、

ニコラ・ブーヴィエ。

ものすごく面白い。

1953年、友人と二人で、

スイスから東へジャララバードまで、

旅した時の記録です。

当時の名もない僻地の様子と、

そこにすむ人たちが、

彼のナイスなセンスと、

類稀な筆力で生き生きと表現されます。

想像することも出来なかったような、

不思議な人やものが、

さりげなく次々に登場する。

重いものも明るいものも。

世界とは、かくも多様なもので、

構成されているのか静かに驚く。

この旅のあと日本にも来ています。

この人は旅行家カメラマン文筆家と、

言うことですが、

私は文化人類学者だと思います。