松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

「ぼくはテクノロジーを使わずに生きることにした」

ボイルくんの新作を送っていただいた。

すぐ読み始めたが、
ずいぶん今までと雰囲気が変わった。
彼はアイルランドに戻り、
テクノロジーを使わない生活を始めていた。
アイルランドというが、
本島ではなく、南東のほうにある、
小さな島に暮らしていたのだった。
途中まで読んで、
彼自身が変わったのだなぁとわかる。
エネルギッシュな人にありがちな、
饒舌さは影を潜め、
今は活動家でもないので、
啓蒙的なところがない。
そして何より、この原稿は、
原稿用紙に鉛筆で書いている。
絵でもそうだが、道具が変わると、
ラインが変わり、フォルムが変わる。
描いている人は同じでも。
字を書くことは、思考を変えると思う。
本の中に現在の、忙しい、
自給自足生活の様子と、
この島の歴史やこの島を選んだ経緯が、
交互に語られる。
このグレート・ブラスケット島に、
まつわる話がとても面白い。

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