松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

弘安日記の続き

歌舞伎浄瑠璃万歳などについても、

みんな見慣れていて見巧者なのだ。
近江町市場の祭りに出てくる、
歌舞伎絵の大灯籠なども人気があった。
そう言うのもあったんだね。
なんの分野もそうだが、
知れば知るほど面白くなる。
この絵はあの役者のあの出し物のあの場面、
くらいのことがみんなわかる。
中に蝋燭の火が揺れて、
本物の舞台のようだったと。
今気がついたけど、
最近薪能とかいうけど、
電気のない頃は、いつでもなんらかの、
揺れる火が光源だったんだろうね。
これは金の視覚的効果がヤバいやつやね。
弘安も囃子方のメンバーを見て、
これは面白くないわけがないな、
などとたのしみに出かけている。
お祭りやお祝い事の度に、
さまざまなお楽しみ出し物があって、
出番も多いので、セミプロみたいな人が、
町にいっぱいいた。
浄瑠璃やる八百屋さんとか。
私の中学の同級生のおじいちゃんは、
ごく最近まで、萬さんの公演に出ていた。
家業は製麺やさんだったけど。
みんなでやってみんなで楽しむ、
そんな環境だったんだね。
今思うほど、どれも高尚なものではない。
語り物は言葉の調子がいいから、
聞いて楽しく、自分でやれば気持ちいい。
時々陶酔モードに入る人いるよね。笑
万歳などは、ちょっと下ネタの、
面白いものもあったようだし。
それにしても仕事を終えてから出かけて、
いろいろ最後まで見ると夜中になる。
まだ電気が来ていない頃は、真っ暗で、
提灯下げて帰ってくる。
雪や雨が降ってたりの中を、
下駄履いてもちろん歩いて。
そう言うことを頻繁にやっている。
この熱意こそが驚きである。