松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

再読 動的平衡

命と言うのは、

常に動いているということ。
受精卵の細胞分裂を見ていると、
いっときも休まず変化し続ける。
本当に止まらないんだなぁと思う。
われわれの心臓も常に動いているし、
自分では感じられないけど、
全身の細胞も順次入れ替わり、
常に刻々と作り替えられている。
少しも止まることなく。
数ヶ月前の私と今の私では、
同じ一人の人間だけど、
ぶつとしては別物。
あの頃の細胞はみんなお払い箱だ。
新しい細胞の原料は、
口から食べている訳だが、
それもこの前書いたように分子の循環、
口から吐く息も、
みんな流れの中に組み込まれている。
我々を含む環境自体がどの部分をとっても、
動きながらバランスしている、
動的平衡なわけだ。

福岡先生は、生命をミクロな、
分子パーツからなる、
プラモデルと捉えてそれを、
操作対象として扱いうる、
という考え方には批判的である。
全体に非常に的確で、
私の感覚に違和感なくフィットする。
「生命は38億年かけて改良を重ねた完成形として存在している。38億年の最適化の結果なのだ。これを入れ替えたり、作り変えたりしても、さらに良くすることは簡単ではあるまい。」

今回のウイルスやワクチンに関しても、
ごくフラットに言うべきことを言っていて、
尊敬できる科学者だと感じる。