松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

絵本のこと歌のこと

読む本がなくなったので、

またある本を読んでいる。
この本は古い本だが、姉の本だと思う。
姉の昔の写真が挟まっていた。
全面に梶山俊夫の絵が、
ざっくりした手触りの紙に刷られていて、
この本屋さんには珍しい和風の雰囲気の装丁。
少し前若いデザイナーが、
昔の字詰めがすごいと驚いていたが、
まさにこのタイトルのツメツメぶり!
写植の印画紙の表面だけ剥がして、
ピンセットでツメ貼りしたものです。
昔はみんな、手作業だったからね。
ページものは版下屋さんがやったが、
本の表紙などは、
デザイナーが自分で版下を作っていた。
内容は面白いところもさほどでないところも、
あったが、最後のお母さんの話が、
懐かしく面白かった。
岐阜の貧しい農家の出で、
京都の呉服屋に丁稚奉公に出て、頑張って、
やがて店をもったお父さんのところに、
同郷の娘さんがお嫁に来た。
と言うことらしい。
このお母さんは、常日頃、
さまざまな口伝えの言葉をつぶやいていた。
餅は餅屋
金時の火事見舞い
秋なすは嫁に食わすな
馬鹿と鋏は使いよう
などなどである。
木島始さんの母親よりうちの母は、
幾分若いと思うが、
私の母もよくこの手の言葉を口にしていた。
生まれた土地も住う場所も違えば、
学校教育の経歴も違うのに、
内容はほとんど同じで、
私にはどれも聞き慣れたものである。
しかし、私はこれらの言葉を、
よーく知っているが、
日頃ほとんど口にすることはない。
したがって、
次の世代には伝わっていかないだろう。
残念なような気もするが、
無理して呟くものでもないけど、
知ってるくせに、
なんで私は使わないのだろう。笑

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