松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

きのこはこれでおしまい

きのこの本の相良先生は、

言葉についてもちゃんと書いています。
ヨーロッパの学者の人間中心主義が、
彼らの言葉使いに出ていることを、
さらりと批判してもいる。
分類に関して、動物界植物界という、
リンネの分け方がその後に及ぼした影響を、
リンネの大罪と呼んでいる。笑
リンネの問題は、
マツタケ」の著者も書いていた。
(別の話だけど、このアナ・チンという著者は、
マツタケの本を書いてるという、
妙に私好みの組み合わせなのである。)
また「個体」という言葉は、
菌類には全くもってそぐわないと。
地球で一番大きい生物は、
きのこだというのは有名な話で、
地下に巨大な菌糸塊をもっている。
確かアメリカにいる。
ま、調べてないだけでもっと大きなものが、
どこかにいるかもしれないが。
地上に現れた子実体だけがきのこではないから。
きのこは適した条件があれば忠実に出てくる。
アンモニアが好きなきのこの下を掘ると、
必ずアンモニアの源がある。
動物の死体や糞など。
もぐらは巣のそばにトイレを作る。
アシナガヌメリ、ナガエノスギタケなどの、
アンモニア菌が見つかると掘ってみる。
もぐらの巣などが見つかる。
もぐらは一つの巣を長く使い、
代替わりしたり、
別のもぐらが使ったりする。
木の根があり、菌類がいる場所は、
トイレの浄化装置になるから、
もぐらは気にいるのだろうと。
このきのこは名前でわかるように、
柄の部分が長い。
アンモニアの源からどんどん上に向けて、
子実体をのばす。
重力の反対が地表という理解で伸びると。
線虫の話もすごかった。
これは見えるか見えないかくらいの、
細長い生き物で、土壌中にどっさりいる。
菌類を食べる線虫もいるが、
線虫を食べる菌類もいる。
ヒラタケの仲間。
これの前に線虫をおくと、
毒かなんか出すのか、線虫は動けなくなる。
そうすると素早く菌糸が伸びていき、
線虫の中に入り、すっかり食べてしまう。
きのこの本があまりにも面白かったので、
この先生が推奨している、
菌根菌の本を読もうと思う。
前から読みたいと思ってた本で、
ちょうど良かった。