松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

久しぶりに小説

このところ結構忙しく、

落ち着いて本を読む感じではなかった。
姉に借りた「結ばれたロープ」は久々に、
夢中で読める小説で嬉しい。
日本では1956年に、
「ザイルのトップ」という題ででている。
今回は石川美子氏の新訳である。
モンブラン周辺の山々を持ち場にする、
山岳ガイド達の小説である。
フランス側の登山口の町シャモニーと、
そそり立つ山々が舞台となる。
著者は自身がガイドであった人で、
ガイド達の考え方と生き方、当時の生活ぶり、
自然描写の厳しい美しさ、困難な登山の緊張感、
どれもが、非常に生き生きと描かれており興奮する。

私の山登りなんて赤ちゃんのようなものだが、
やはり山が好きだから、
こういう本はいろんな部分で楽しめる。
歴史的には登山は貴族やお金持ちの趣味だったりしたんだけど、
これはガイドの話だから面白い。
麓の村で生まれ山を見ながら育った、
本当に山が好きな誇り高い山のプロ達である。
とにかくかっこいい。