松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

続き

あまりにも説明不足であったのでもう少し補足する。
本のタイトルの、「逃亡に非ず」については、
夜中に叩き起こされ、
ごく短時間で赤軍の要求に応じるかどうか判断を迫られた。
獄中でニュースを知ることもできなかったのに。
何か質問しても刑務所の偉い人も何一つ答えられないのに。
藪から棒過ぎる。
これを断れば人質になっている飛行機の乗客が、
殺されるかも知れないと聞かされ、
その一点で行きますと答える。
にもかかわらず、その時のメディアは一斉に、
泉水は逃亡したと書き立てた。
この時の怒り、
裏切られたと言う思いは想像を絶するものである。
また、泉水氏が国外に出たはずなのに、
今また収監されているのは、
フィリピンにいる時に偽造旅券に関わったとして、
また逮捕されたからである。
そもそもその前の最初の殺人事件に関しても、
彼は全くやっていない。
仲間が彼が席を外した間に犯行に及び、
彼は興奮状態のその人の頬を張ってやめろと言っている。
にもかかわらずこの主犯の人が自殺して、
何故か泉水氏が一切の罪をかぶることになる。
もう次々と不条理が上乗せされて行き、
現在もなお理不尽な目にあっているわけである。

今の方が状況が良くないと言うのは、
事件当時泉水のお兄さんに、警察や新聞社の人が、
出国の見送りに間に合うように、
配慮してくれたことなどについての、
私の感想である。
また近年再審請求の出ている人の、
死刑を執行したり、いきなりオウム関連の執行など、
おかしいことが多過ぎるという、
私の感想である。
入管についても状況は最悪である。
日本という国があらゆる分野で、
劣化退行しているように思える。
本の中の泉水氏の言葉は、
ほとんどが弁護士さんなどへの手紙の文章だが、
大変立派な文章であり、
その考え方も筋の通ったものである。
こんな不条理な目に遭うべき人ではない。
私は何もできなくて申し訳ないが、
ぜひ一日も早く出てこれるように祈っている。