松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

言うてる場合か、ということ。

私が知る範囲では、遺伝子組み換え種子は、
びっくりするほどすべての面でいい事がないです。
ヴァンダナ・シーヴァという先生が言うてたけど、
このひとはインドのおばさんの学者で、
種子学の権威、この分野ではあちこちで遭遇します。
昔は農芸化学などの分野は、人口の増加に伴って、
人が飢えることがないようにということが、
研究の目的になっていたが、
現在そういう考えは全くないと、
ただ儲かることだけを考えていると。
したがって収量も、最初はいいかもしれないが、
すぐに在来の栽培法に抜かれる。
インドで導入された綿花は害虫に耐性があるのが売りだったが、
これも数年でより強い害虫にやられた。
インドではこれが原因でたくさんの農家が自殺している。
グリサホート耐性の大豆なども、
大豆だけ枯れず、雑草が全て枯れるという計画だが、
この農薬をばらまくことで、土壌菌も死んでしまう。
コーンも恐ろしい交雑種が出て、
在来の種を絶滅させる危険がある。
これを食べたマウスは全てに病気が出ている。
ついこの間も養豚場で遺伝子組み換え大豆から、
普通の大豆に餌を変えたら病気が減り、
抗生物質の使用が減ったというニュースもあった。
これなんかも病気にして薬を使わせるというところまで、
セットではないかとさえ思う。
要するにメリットというものが見当たらない。
こう言うのは原発と似ているような気がする。
電気を作る方法として、原子力を使うことのメリットはない。
危険の方が大きすぎてあったとしても話にならない。

しかし、できるから、技術的に可能だからやる。
こういうことは学者は好きなんだと思う。
自然界にない生き物を作ったりすることって、
きっとものすごく嬉しいんだと思う。
だから理由は後付けで、とにかくやりたい。
そういういかれた科学者と金儲け一筋の人たちが組むと、
どうしようもない事態になるというわけではなかろうか。
次はゲノムをいじくる話が出てきているが、
これに関しては今んとこよく調べてないからわからんが、
ま、構造としては同じようなことだ。

農業というのはもともと持続可能なもので、
普通に種を蒔けば出てくるものである。
うちのピーナツかぼちゃのように。
お天気などに左右されはするが、
そこは様々な品種を植える事で、
なんとかリスクを減らしてきたわけだが、
今や種の多様性はすでに失われてしまっている。
うちの庭の木なんかも、肥料もやらず水やりもせず、
それでも年とともに確実に成長して、
枝を切ってやらねばならないほどに大きくなった。
これでは金儲けの介在する余地がない。
それを無理やりむしり取るために、
毎年一世代限りの種や苗を買わせ、肥料を買わせ、
農薬を買わせるように仕組んでいる。
日本では自家採種が犯罪になるような法律まで作っている。
いいことが一つもないことをやる必要はない。
無理やりやらせようとする奴に対しては、
抵抗するしかない。
日本人は抵抗することに抵抗があるようだが、
そんなこと言うてる場合か。