松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

「与謝野晶子歌集」

歯医者さんの帰りに、恐怖の体験を忘れるために、
一度入ってみようと思っていた、
割に最近できた児童書の古本屋に立ち寄った。
全てが子ども向けではなく、
店の中に入ると大人の本がかなり多かった。
というか児童書は思ったより少なめ。
児童書の古本は少ないから仕方ないが。

与謝野晶子歌集という文庫本が目についた。
先日読んだ「明月記を読む」の中で、
与謝野晶子の歌が紹介されていて、
強い印象があったのと、
解説を馬場あき子さんが書いているのもあって、
迷わずゲット。

この人は語彙が豊富で実に言葉を巧みにあつかう。
自由自在でかつ守備範囲が広い。
その情景は色彩豊かでドラマチックでとにかく濃い。
また思いがけないものを取り上げていて、
うなる感じの仕上がりになっていたり、
まあ私は歌はよくわからんのだが、
それでも、いやぁすごい人だなぁと思う。
びびるくらいのレベル。
初期のみだれ髪ばかりが有名だが、
あれも確かにすごいけど、あれだけではない。
こういう圧倒的に内面に豊かなボリュウムを持っている人は、
本当に近年居なくなった。
生涯に5万首以上の歌を作ったという。