松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

五日市憲法

この前の号のビッグイシュー
まだ読んでない記事があった。
「五日市憲法」について。
名前しか知らなかったが、
これは予想以上に凄いものであった。
幕末から二十数年の間に日本の各地で、
民間人による憲法の草案が実に102も!作られた。
その一つである。
長く続いた江戸幕府が倒れたこの時期、
新しい国のあり方を、一般の人たちが真剣に考えた。
五日市は絹の道の要所として栄えた場所である。
当地の旧家深澤家の当主は、
東京で出版される書籍を買い集め、
地元の人が自由に読めるようにした。
勉強会や討論会が開かれ、人々は真剣にこれに参加した。
こういうのを読むと、
前に読んだ金沢の職人米澤弘安の日記を思い出すが、
人々の知識欲勉強熱心社会参加の意欲、
あらゆる意味で今日とは比べ物にならないレベルである。
全然政治の話はちょっと…ではない。
またその内容を具体的に見ると、
人間性の高潔さ正義感など、そのバランスのとれた、
倫理観にも驚かされる。