松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

記憶の不思議

この前姉が来た時散歩をしていて、
この木はなんの木だろうという話で、
サンシュウの木ではないかと姉が言う。
姉は一時近所の農業高校の水やりのアルバイトをしていたので、
意外に草木に詳しい。
サンシュウなんて木があったっけというと、
庭のサンシュウの木という歌があったじゃろうという。
そう言えば、母が歌っていたか。
にわのさんしゅうのーき なーるーうーうすーずー、
という具合にスラスラと歌詞と節が出てきたのであった。
これはもともと稗突き節という民謡で、
一時期流行ったものらしい。
とにかく伸ばす部分が多い歌で結構いかした歌である。
人間の脳は不思議なもので、しまって忘れていたものも、
何かのきっかけでゾロゾロ出てくる。
この前千葉の酒屋に行った時神社にやつでの大きな木があり、
そう言えば子どもの頃の家に大きなやつでがあったなぁ、
やつで最近はやらないけど、
意外に面白い木ではないかと思ったり。
その家は古い家で玄関周りに小石の洗い出しの部分があり、
青黒っぽい石に混じって、
染付の焼き物のかけらが入っていたりして、
そういうものをごく小さい私はよくよく見ていたように思う。
洗い出しはなかなか美しい仕上げ法であると思うが、
近頃はやれる人がいないらしい。